17年産 マンゴー生産量730㌧/前期不作を挽回
過去最高に迫る実績/価格は市場出しで値崩れ
2017年宮古島産マンゴーの生産量が730㌧になることが地区園芸技術員会のまとめで分かった。15年の過去最高量765㌧に迫る実績で、前期の不作を挽回した。ただ、価格の面では、市場出し(出荷)や店頭に並ぶ一部のマンゴーで値崩れが起きた。中元時期の供給不足が要因。開花のずれに伴う収穫・出荷の遅れが価格に響いた。
今期のマンゴーは、高温の影響を受けて花芽分化が鈍く、例年より1カ月程度遅れた。開花もずれたが開花率は前期を上回って着果も順調に進んだ。結果として今期生産量は予測を30㌧上回る豊作型となった。
果実は6月下旬から出始め、7月中旬には200㌧を出荷、下旬には260㌧のピークを迎えた。
農園を経営する40代の農家は「花は遅れたが質、量ともに今期は良かった」と話し、前期の不作を取り返すような豊作を喜んだ。
ただ、「終盤の値段が落ちた。全体的に出荷の遅れが響いたのではないか。市場出しなどで大きな落ち込みがある」と指摘した。
価格の落ち込みは需給バランスの崩れが要因だ。収穫の遅れから、高需要に当たる中元時期に十分な果実を供給できなかった。
県内マンゴーを取り扱う沖縄協同青果によると、全取扱量(541㌧)の平均キロ単価は1041円。宮古島産は前期比22㌧増の37㌧を受け入れ、平均キロ単価は1710円だった。
担当者は「宮古島産は人気があり、価格はずば抜けて高い」と高品質を評価しているが、単価は前期の3267円、その前の年の2034円と比べても大幅にダウンしている。
価格変動について担当者は「(価格の低下は)出荷時期が後ろにずれ、中元時期を逃したことが大きいのではないか。通常は7月のギフトの単価が良いが、今期に限ってはピークが7月下旬から8月上旬にずれ込んでしまった。需要期が過ぎていた」と話した。
宮古島産マンゴーの5~6割は顧客に直接送られているため、他地区に比べると全体的なダメージは小さい。ただ、市場出しの農家にとっては価格の面で厳しいシーズンになった。
今期の宮古島産マンゴーは、221戸の農家が計74㌶のハウスで栽培した。