「博愛の里上野」に農水大臣賞/農林水産祭むらづくり部門で
沖縄総合事務局 能登局長が表彰状伝達
【那覇支社】沖縄総合事務局は17日、農林水産祭のむらづくり部門で農林水産大臣賞に輝いた「博愛の里上野」に対する伝達式を那覇市で行った。能登靖局長から、博愛の里上野地域づくり協議会の垣花徳亮会長に表彰状が贈られた。同部門で、宮古からの受賞は2007年の島尻集落以来10年ぶりとなる。
宮古島市の旧上野地区は、1873(明治6)年にドイツ商船ロベルトソン号が上野宮国沖で座礁した際に乗組員を救助したことで「博愛の里上野」として親しまれている。同協議会は、その時に根付いた「博愛」の理念の下、地域づくりに取り組む目的で08年に発足。「博愛の里上野まつり」を開催するなど地域活動や、農業や観光振興発展に取り組んでいる。
トウガンやゴーヤーの栽培技術向上や担い手育成など地域農業を活性化させる取り組みは、有力農家を数多く輩出。トウガンの出荷量は宮古島市全体の約7割を占めるまでに成長するなど、県内外からも高く評価されている。また、芸能保存会が中心となり獅子舞や棒踊りなどの伝統芸能の保存を目的とした取り組みも評価された。
伝達式に参加した垣花会長は「発足10年目の節目に、これまでの活動が評価されて喜んでいる。歴代の村長をはじめ地域住民の絆が一つになった結果だと思う。今回の受賞が宮古全体の発展につながればうれしい」と喜びを語った。
また、前会長の野原勝也さんは「歴代村長の取り組みと、地域住民が一丸となって取り組んだ結果だと思う。村を挙げて喜びたい」と語った。
能登局長は「先人たちの博愛の精神を長年にわたり受け継ぎ、積極的な地域づくりへの取り組みが、他地域のむらづくり活動の模範となる」と激励した。
農林水産祭は、農林水産業者の技術改善と経営発展の意欲を高めるため1962年から実施。むらづくり部門では、農林水産業の振興を中心に、生活・文化などを含む地域活動を展開する優良事例に対して表彰を実施している。