虐待の実情など報告
防止推進月間で講演会
児童虐待防止推進月間講演会「児童虐待防止への取り組み~社会全体で子供達を守るために~」(主催・市児童家庭課)が25日、市中央公民館研修室で開かれた。県中央児童相談所宮古分室の佐和田ゆかり主幹と平良中学校の下地洋年教諭が講師を務め、宮古島市における児童虐待の実情などについて報告した。
佐和田主幹は児童相談所での児童虐待対応件数は全国、沖縄ともに右肩上がりに増加している現状を説明。2015年の県内での対応件数は687件で、種類別に見ると心理的虐待が302件(44・0%)、育児放棄などのネグレクトが198件(28・8%)、身体的虐待が172件(25・0%)、性的虐待が15件(2・2%)だったことなどを紹介した。
虐待が子供に及ぼす影響としては、暴力によるけがや成長面での身体的影響、頭部外傷や環境要因による知的発達面への影響、対人関係障害や行動コントロール問題などの心理的影響があると指摘する佐和田主幹。「虐待が起きてしまう前にどうするかが大切」と強調した。
下地教諭は「本校と関係機関の取り組み」と題し、平良中学校で児童虐待が確認された場合の校内での対応方法や関係機関と連携するまでの流れについてなどを報告。児童相談所に通告し一次保護されるに至った実例も紹介した。
会場には学校教諭や保育士、民生委員・児童委員、保健師など子の育ちに関わる人ら約50人が参加し、2人の話に聞き入っていた。