小中連携は不可欠/市教委、校長会報告
学力向上へ課題共有/切れ目ない教育指導へ
市教育委員会と小、中学校の校長会が27日、下地敏彦市長に学力向上の成果と課題を報告した。この中で小中連携教育の実施状況が示され、宮古島市の取り組みが全国や沖縄県に比べて遅れていることが分かった。懇談会では、小学校から中学校への切れ目ない教育指導の実践ほか「中1ギャップ」の解消を図れる小中連携は不可欠とする見解で一致。これを推進する方向性を確認した。
市教委や校長会は、はじめに2007年度から17年度までの全国学力テストの成績をグラフで示し、全国との差が詰まっていることを報告。教育長裁量で使える予算「魅力ある学校づくり事業」の活用や、各校教諭の授業改善等で児童生徒の学力が目に見える形で向上しているとした。
ただ、小学校から中学校に至る学習の連動性及び環境の変化の緩和を図る小中連携教育については、取り組みの遅れを認めた。①小学校と中学校で教育目標を共有したか②授業研究や合同研修を行ったか-の設問に「よく行った」「どちらかといえば行った」とする回答は30%未満で、これらの回答が50%(②の問いでは60%以上)を超える全国や県平均と比べて取り組みの弱さが際立っている。
下地市長は「なぜここまで低いのか」と質問。市教委は小学校、中学校が隣という地域性を踏まえ「(小中連携は)いつでもできるという考えがあるのかもしれない」と回答した。学校教諭の日々の業務の多忙さも背景にあるとした。
宮國博教育長も取り組みの弱さを認めた上で「これはしっかり進めなければいけないと考えている」と主張した。全体の意識としても小中連携が学校生活や授業の進め方の違いになじめない「中1ギャップ」の解消等を図る上で有効な手段とする考えで一致。下地市長も「具体的な目標を立てて取り組んでほしい」と小中連携の推進を促した。
宮古島市では、今年度から具体的な小中連携の取り組みを開始。隣り合う小学校と中学校による全体会の実施ほか、互いの授業見学なども行っている。