生産量35万㌧見込む/17-18年産サトウキビ
宮古地区の2017-18年産サトウキビの生産量は34万9000㌧前後になる見通しだ。日本分蜜糖工業会のまとめで分かった。大豊作の前期と比べて約8万6000㌧の減産だが、台風の直撃や干ばつに見舞われながらも平年以上の収量になる。株出し栽培の普及に伴う収穫面積の拡大が要因だが、その一方で全体の反収(10㌃当たり収量)は5・7㌧(前期実績比2・3㌧減)と低い。株出しの反収アップが課題だ。
県内各製糖工場による第2回生産見込み量調査の結果を日本分蜜糖工業会がまとめた。宮古島市のデータは沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場、同伊良部工場の合算値。これに含蜜糖生産の宮糖多良間工場の調査結果を加えて地区全体の見込み量を算出した。
沖糖宮古工場は13万3500㌧を見込む。以下、▽宮糖城辺12万5800㌧▽宮糖伊良部6万5000㌧▽宮糖多良間2万5000㌧-となっている。
反収は沖糖宮古が5・4㌧、宮糖城辺と同伊良部が5・9㌧、多良間8㌧。宮古島市の3工場の反収はいずれも6㌧を下回る厳しい調査結果となった。
宮古地区では、ここ4~5年で2年1作の夏植え栽培から1年1作の株出し栽培に移行する農家が急増している。今期の株出しの比率は全体の約6割。これに伴い収穫面積は5635㌶まで増え、大豊作だった前期より520㌶大きい。
ただ、株出しは栽培期間が短いため、一定程度の反収がなければ収穫面積が増えた恩恵を最大限受けられない。関係機関が必要としている株出しの反収は6㌧だが、今期は夏植えのサトウキビを含めてもこの収量に達していない。
反収の低さは、夏場の干ばつで生育を阻害されたことが大きな要因だが、収穫後の株出し管理、補植、除草、株の適時更新といった栽培管理の不徹底も影響しているとみられる。
17-18年産サトウキビの生産見込みについて、沖縄製糖の砂川玄悠専務は「台風の襲来や干ばつがあった中で収量はしっかり確保できた」と話す。ただ、「低反収の株出しが増えているのは課題だ。今期は良いとしても、来期の生産量が懸念される。収穫後に株出しを更新する必要がある」などと話し、収穫後の春植えを推奨している。