子の救済 カギは連携/子どもの貧困問題
円卓会議で情報共有/官民一体の行動へ
宮古島市の子どもの貧困を考える沖縄子どもの未来県民会議地域円卓会議が28日午後、市中央公民館で開かれた。行政機関や教育現場、学習塾、民間団体の代表らがそれぞれの立場から提言。支援を必要としている子どもをどう掘り起こすのかなど、貧困問題の解消に向けて連携強化の重要性を再確認した。
会議は、県と沖縄子どもの未来県民会議が主催。企業、行政、地域、学識、メディアなど多様な見地を有するメンバーが子どもの貧困について語り合い、課題の解決を目指す。
市福祉部次長の下地克浩さんは、子の居場所づくりや教育委員会との連携を報告。居場所(教室)は高いニーズがあるとし、教育委員会のソーシャルワーカーと連携して支援が必要な子どもの掘り起こしに努めている活動も紹介した。
市教育委員会学校教育課指導主事の与那覇周作さんは、学校現場は就学援助を必要としている子どもを見付けやすい環境にあると主張した。現場と行政をつなぐソーシャルワーカーの存在の大きさも語った。
「宮古島市の基盤は他地区より充実している」と話したのは沖縄子どもの貧困解消ネットワーク共同代表の山内優子さん。「居場所が口コミで広がっていくというのは他ではみられないことであり素晴らしい。児童館も六つあって、人も積極的だ」と語った。
無料塾を展開するセレブラム教育システム代表取締役の新山広明さんは「勉強がしたいのに、経済的理由でできない子どもはまだまだいる」と話し、子どもたちが家庭環境に関係なく充実した教育が受けられる環境の整備を切望した。
やまと商事代表取締役の宮里敏男さん、下地児童館長の来間優美子さんもそれぞれの立場から意見した。
論点を提供した県民会議の川満孝幸さんは、貧困世帯に育った子どもが大人になったとき、同じような状態に置かれてしまう「貧困の連鎖」を紹介。これを断ち切るためにも周囲のサポートが重要だと問いた。
会議はみらいファンド沖縄副理事長の平良斗星さんがコーディネートした。会場には教育、福祉分野で働く市民らが多数来場し、円卓の話を熱心に聞いた。