キビ操業がスタート/宮糖伊良部工場
平均糖度13・09度/順調な滑り出し
関係者集い豊作祈願
宮古製糖(安村勇社長)伊良部工場は1日、2017-18年期のサトウキビ製糖操業を開始した。初日は約360㌧の原料(サトウキビ)を搬入し、平均糖度は13・09度だった。基準糖度帯(13・1~14・3度)並みの品質を確保し、まずまずの滑り出しとなった。今期操業は130日間を予定。来年4月中旬まで続く。
今期のサトウキビは気象条件に恵まれず、干ばつや台風直撃といった自然災害をもろに受けた。
被害の大きさから大幅な減産が懸念されたが、地区全体の生産見込み量は34万9000㌧。平年以上の生産が見込まれている。伊良部の見込み量は前期比1万㌧減の6万5000㌧。
操業開始初日は、午前8時から午後4時30分まで搬入した。手刈り原料は158㌧(44%)、機械刈りは204㌧(56%)だった。
同工場がまとめた生産概況によると、平均糖度はほぼ基準糖度に達し、初日としては上々。糖度区分別構成比は基準糖度帯内の原料が全体の42%、基準糖度帯以下の原料は54%で、今後の冷え込み等による品質の上昇が期待される。
初日の1㌧当たり農家平均手取額は概算で2万1190円(交付金含む)。
製糖開始式が同社工場内で行われ、多くの関係者が参加して豊作と期間中の無事故無災害を祈願した。
はじめに、安村社長ほか関係機関の代表がキビの束を機械に投げ入れ、今期製糖操業の開始を告げた。
安村社長は「前期の大豊作と比べると減産だが、平年を上回る見込みとなっている」と報告。「糖業界の先頭を切って操業を始めることになる。農家の皆さんにはもれなく収穫していただきたい。私たちは、そのサトウキビから限りなく糖分を吸収し、農家の努力に応えたい」と述べた。
宮古島市の下地敏彦市長は「干ばつや台風の影響を受けながらも収量を確保できた」と喜び、「無事故無災害の操業を祈願する」と強調した。県宮古農林水産振興センターの植田修所長(代読)も「(減産が)懸念されたが、農家の肥培管理が奏功して6万5000㌧を確保できたことは喜ばしい」と祝辞を述べた。
市議会の嵩原弘議長が乾杯の音頭を取り、全員で祝杯。今期伊良部地区における豊作に期待を込めた。
宮古製糖は、今月11日に多良間工場、同20日に城辺工場の操業を始める。沖縄製糖宮古工場は来年1月5日にスタートする。