「議会議決を無視」/城辺統合中用地
否決後の再提案ただす/市教委「手順に瑕疵ない」
市議会(嵩原弘議長)12月定例会は7日、本会議を開き、提案議案に対する質疑を行った。9月定例会で否決された城辺地区4中学校の統合中学校を西城中とする設置条例改正案について、複数の議員が「議会議決は重い」と指摘。議会議決を無視し、今定例会に再び提案した市の考えをただした。市教育委員会は「手順に瑕疵(かし)はなかった」と正当性を主張。統合校は2021年4月開校予定が基本方針であることや、今定例会での議決がタイムリミットであることなどを挙げ理解を求めた。
質疑で上里樹氏は「9月議会で否決された後、どのような変化を踏まえて再提案するのか」と質問したのに対し、仲宗根均教育部長は▽これまでの手順に瑕疵(かし)はない▽用地選定委員会で正当な手続きを踏んでいることが確認された-などを強調。9月定例会で、否決の理由として挙げられた「市都市計画マスタープランとの整合性がない」ことについては「教育委員会の中で、必ずしも街づくりと文教施設の在り方は一致しなくても良いのではないかという話があった。平穏で静かな学習環境を保持することが大事で、用地選定委員会の答申を重く受け止めて再度提案することにした」と述べた。
上里氏は「最終議決は議会である。用地選定委員会の答申は議会より重いのか」とただしたのに対し、宮國博教育長は「9月定例会で否決された以降、議論を重ねてきた」と述べた上で、「用地選定委員会が城辺地区の新設学校の位置は西城中が最も良いという答申は重く受け止めていきたい」と話し、再提案は同委員会の答申結果を受けての流れであることや、国や県との調整など時間的な必要性が迫っていることに理解を求めた。
友利光徳氏も関連質問に立ち「行政は地域に寄り添うことが大事。教育委員会の学校統廃合の進め方は市民不在で、自分たちの都合の良いように進められている」と語った。
与党議員などからの質疑はなかった。
城辺地区4中学校の統合校を現在の西城中学校の位置に設置するための学校設置条例の一部改正案は、市議選前の9月定例会で提案され、採決では賛成12、反対13の賛成少数で否決された。