地域の絆、上手に活用を
健康長寿県復活で研修会/宮古保健所
県宮古保健所(上原真理子所長)の2017年度健康づくりボランティア研修会が7日、同所で行われた。琉球大学法文学部人間科学科の白井こころ准教授は「つながりの強さでつくろう!がんずぅアイランド」のテーマで講話。沖縄の財産である地域の絆やネットワークを上手に活用すれば沖縄の長寿は取り戻せることを訴えた。
あいさつで上原所長は「沖縄は、今でも人と人のつながりが強く残っている。『健康づくり』を軸に県民、企業、地域、ボランティア、行政がつながりを持った取り組みで健康長寿県を復活させたい」と述べた。
白井准教授は、健診データから見える宮古島の特徴について、男性が40~50代の働き盛り世代に肥満が多く、女性は40代以降、加齢とともに肥満者の割合が高くなるとしている。
男性は50代で高血圧の有病割合が高いほか、血糖値については男性が55歳~69歳で基準値以上の割合が高く、女性は年齢を重ねるとともに基準値以上者の割合が高くなる傾向にあることが紹介された。
そのほかにも、白井准教授は、人は周囲の人の食べる量に影響されて食べる量を決めていることを紹介。ダイエットしている友人と一緒に食べに行くと1人で食べるよりも量が制限され、たくさん食べる友人と一緒に食事に行くのは危険であることなどが説明された。
周囲とのつながりで健康づくりを呼び掛ける白井准教授は「一人一人が、地域の中で自分のための健康づくりに一歩踏み出せば、大きな変化が期待できる」と述べ、人づくり(仲間づくり)を地域づくりにつなげ、それを健康づくりに発展させていくことの大切さを訴えた。
そのほか、南城市つきしろ自治会の新城辰夫会長も「やりがいと楽しさ、健康づくりを軸にした地域活動」のテーマで講話した。
自治会で健康づくり推進員を発足させて「健康ニュース」の配布をスタートさせたほか、ナイトウオーク、森林ウオーク、健康講演会などを開催し、住民の意識を高揚させ、特定健診の受診率アップを図ったことが報告された。
この取り組みで2007年度に12・8%だった受診率は年々増加し、12年度には63・4%にまで上昇したことなどが説明された。
研修会には、市の担当者や各自治会の会長や役員などが参加。健康づくりを軸にした地域活動について学んだ。