「適切な環境保全」求める
広域公園整備で知事意見書
【那覇支社】県は8日、宮古島市下地与那覇地区で建設計画中の「宮古広域公園整備事業」の環境影響評価方法書について、適切な環境保全を検討することなどを求める知事意見書を公表した。
同事業は、県内で唯一、広域公園が未整備の宮古圏域に、広域のレクレーション需要に対応することを目的に公園を整備するもの。基本理念に「宮古の美しい海とそこで育まれた自然と文化を活かした仮称『ミャークヌ・オー・イム・パーク(宮古の青い海公園)』の実現」を掲げている。
スポーツやレクレーション施設を建設・改良するもので、面積は約51㌶。エントランスや観光・レクレーション、健康スポーツ、海辺の森保全・活用など、6区域を設けている。
意見書の中で県は、保全系エリアに植林されているモクマオウなどの外来種を在来植物へ転換する取り組みについて、「宮古島の自然再生という観点から評価できる」とした。
また、この事業で植栽する樹木は宮古島産を使用することや、公園整備の工事や完成後の施設から生ずる排水が前浜ビーチへ与える影響を弱める方法を検討するよう求めている。
環境影響評価の実施では、地下水への影響を把握するほか、地下水が海へ湧出する際に海域生物に与える影響も考慮する必要があると指摘。広域公園事業を行う区域より広い範囲での環境影響評価を、必要に応じて実施を検討するよう求めることも盛り込んだ。
ハテルマカズラ群落を特殊性の注目種に選定し、場合によっては保護対策を検討することも求めた。