無駄な動きを省こう/50人が走りの基本学ぶ
自己表現の大切さも習得/中体連陸上教室
宮古中体連陸上競技専門部主催の陸上競技教室が9日午後、市陸上競技場で開かれ、小中学生約50人が走りの基本動作を学んだ。沖縄本島から招かれた専門の指導者は「無駄な動きを省こう。腰の高さ、接地、足の回転を意識して練習することが大切」と指導。別の指導者は、強い選手の条件として「自己表現ができない人はだめだ。恥ずかしがらず常に前に出よう」と大舞台にも動じないメンタルの強化を呼び掛けた。
中体連として初めて開く陸上教室で、平良中の西里太志教諭が中心になって企画した。生徒や指導者に正しい知識や練習方法を学んでもらうことが狙いだ。
講師は県中体連陸上競技専門部の笠原健市さん(三和中学監督)と、比嘉共樹さん(屋我地中学監督)の2人。講話と実技に分けて子どもたちを指導した。
実技の前に講話した比嘉さんは、陸上の強豪チームの合宿の様子を動画で見せた。それぞれ声をしっかり出して自己主張している点を強調し、「声を出すということは自分を律することだけではなく、周囲の人にも良い影響を与える。きびきび動ける」と話し、相乗効果を生み出す練習環境の大切さを教えた。
また、「練習にはそれぞれしっかりとした目標、テーマを持って臨むこと。自分は何のためにこの練習をするのか、しっかり意識付けすることで練習の効果は何倍にもなる」と話し、正しい努力の実践を勧めた。
実技は主に笠原さんが指導した。速く走る姿勢の作り方として①つま先立ちをする。このときの腰の高さを意識する②そのまま体を前に倒していく③自然と足が出るのでもも上げに移行する-と指導した。笠原さんは「これで人は自然と走り出す。一番走りやすい姿勢で、体の仕組みに合わせている。スピードが出る走り方だ」と話した。
接地については「足の母指球付近で地面を押すように接地する」と説明し、前段として足裏全体で地面をとらえる感覚を磨かせた。
足の回転は「足をお尻より後ろに流さず、地面を押し込んだ後、足のかかとをお尻に引き上げて回転させること」とし、体の前方で足の軌道が円を描くイメージを持つよう助言。「無駄な動きを省いていくことで速く走れる」と指導した。
子どもたちは、笠原さんの指導に従いながら腰の位置、接地、足の回転の練習を繰り返し、正しいフォームの習得に努めていた。
てきぱきと元気よく行動していた南小6年の岩本理紗子さんは「足の回転の仕方が少しずつ良くなったのでうれしい。日ごろの練習の意味とかも深く理解することができた」と収穫の多い教室に笑顔だった。