出店で1業者を優遇/市議会一般質問
トライアスロン記念大会 テナント料徴収せず
第30回全日本トライアスロン宮古島大会の会場で営業活動を行った一部の業者が手厚い対応を受けていたことが19日、分かった。市の幹部が要職を務める実行委員会が、出店に必要なテナント申請がないことを知りながら営業活動を認めていた。テナント料を徴収した形跡もない。出店にかかる公平性及びずさんな事務手続きが問われそうだ。
2014年に開催された第30回大会における不明瞭な事務手続きは、開会中の市議会月定例会一般質問で、濱元雅浩氏が問いただしたことで発覚した。
テナント料を納めずに営業活動した業者は、多くの疑義が生じている市の観光プロモーション事業を受注した当時の市街づくり研究会の一員とみられる。
今の実行委員会の事務局長を務める市観光商工局の垣花和彦局長によると、この業者から14年4月上旬ごろ、大会の会場周辺で煎餅などを販売したいという申し出があったという。
その後、大会直前にこの業者から大量の煎餅が事務局に届き、事業者本人も訪れた。事務局は出店に必要な申請がなされていないことを指摘したが、結果として市総合体育館の敷地内での販売を認めた。
販売物は第30回大会の記念品に位置付けられ、市のキャラクターやトライのロゴマークが煎餅やTシャツに刻印されていた。
出店を認めた理由について垣花局長は「物品が大量に届き、そのまま持ち帰らせるということも気の毒であるということと、大会の機運を盛り上げる効果があることなどから、事務局で急きょテナントを設置して販売した」と答弁した。
これに濱元氏は「腑に落ちない。業者を守っているとしか思えない」と追及の度合いを強め、テナント料の支払いの有無について再回答するよう求めた。
垣花局長は「事前には徴収していない。また、その後の徴収も行っていないと思われる」と述べ、料金を払わずに営業活動を行っていたことを認めた。
濱元氏は公平性を疑問視した上で、大会後に実行委員会がホームページ上で販売したことについても疑義を唱えた。垣花局長は「盛り上げる商品であったために事業者の了解を得て販売協力した」と回答した。
フライベントの「カギマナフラ」で販売したことも明らかになったが、垣花局長は「(業者が)実行委員会から許可を得ずに当日販売していた」と述べた。
最終的に売れ残って賞味期限が切れた煎餅は市の職員が廃棄したという。「廃棄の費用は出たのか」と聞いた濱元氏に対し、垣花局長は「労力や人件費、運搬に使用した車両の借用が経費になるが、これについて業者が支払ったということはない」と答弁した。
濱元氏は「多大なサービスだ」と指摘し、市とこの業者間における契約の有無などの関係性を問うた。
垣花局長は「市とそういう関係にはない」などと否定し、「記念品販売は実行委員会が契約書によって取り引きをしたということではなくて、事業者が独自で販売した。事務局としては協力した」と述べた。