宮糖城辺、操業スタート/17-18年期サトウキビ
収穫シーズンへ突入/糖度12度、出だし低調
宮古製糖(安村勇社長)城辺工場は20日、2017-18年期サトウキビの製糖操業を開始した。初日は476㌧を搬入、平均糖度は12・01度と低調だった。ここ数日降り続く雨の影響を受け、基準糖度帯(13・1~14・3度)に到達する原料が少なかった。今期操業期間は88日間を予定、来年3月15日前後まで続く。宮古本島内はサトウキビ収穫シーズンに突入した。
今期のサトウキビは、干ばつや台風といった自然災害をもろに受けたが、平年以上の生産量を確保。宮糖城辺工場は今期12万5800㌧の搬入を見込む。
同社がまとめた初日の搬入概況によると、基準糖度帯に達した原料はわずかに4・76%。同糖度帯以下の原料が95%を占めるなど品質面では課題を残した。
この実績に伴う1㌧当たりの農家平均手取額は概算で1万9936円。
操業を始めた時期(年内操業)や雨などの気象が低糖度の要因とみられる。今後の冷え込み等に伴う品質の向上が期待される。
製糖開始式で、安村社長は「夏場の干ばつと台風で反収が下がり、3万㌧ほどの減産になるが、平年以上の生産量になる」と農家の肥培管理に感謝。「農家の皆さんが丹精を込めて栽培したサトウキビを受け入れていく。そのサトウキビから限りなく糖分を回収して歩留まりを上げ、生産農家や関係者の期待に応えていきたい」と決意した。
来賓祝辞で宮古島市の長濱政治副市長は「わくわくしている。気象条件には恵まれなかったが生産量は持ち直している。県内生産量の5割近くは宮古島で栽培されている。この基幹産業を守り育てていくことが私たちの使命だ」と述べた。
県宮古農林水産振興センターの植田修所長も平年以上の生産量に安堵(あんど)し、「県としても、効率的、持続的な生産体制の構築に努めていきたい」と話した。
宮糖城辺工場の操業開始で地区内3工場が稼働。沖縄製糖宮古工場は来年1月5日から操業を始める。
宮古地区全体の生産見込み量は34万9000㌧前後になる見通し。大豊作の前期と比べて8万6000㌧ほどの減産だが、台風や干ばつに見舞われながらも平年以上の収量になる。