FDA 下地島に参入/地上業務
三菱地所と連携/人材確保を市に要請
宮古島にチャーター便を飛ばす鈴与グループのフジドリームエアラインズ(FDA、本社・静岡県)が下地島空港活用事業に参入する。旅客ターミナルを建設する三菱地所と連携し、貨物の積み下ろしなどを行うグランドハンドリング業務を担う。7日に立ち上げた新会社では初年度20人の雇用を予定。21日、市役所に下地敏彦市長を訪ね、宮古島市および出身者を確保するための協力を求めた。
下地島空港では、三菱地所が旅客ターミナル施設の建設に着手しており、2019年3月の開港を予定している。国内外のエアラインと交渉を進めており、中期的には、台北、香港、ソウル、上海からの定期便就航を計画。国内線は都市圏からLCCを誘致する。
FDAは、こういった航空機の離発着をサポートするハンドリング業務で参入する。7日には新会社「鈴与エアポートサービス(SASCO)」を設立。19年3月の開港に向けて着々と準備を進めている。
当面の課題として人材の確保を挙げ、「可能な限り宮古島市や出身者を採用したい」としている。新卒採用は那覇の航空専門学校生などを視野に入れ、経験者採用は宮古島への移住を考えている他のグランドハンドリング会社の社員を対象にアプローチする。
社員寮の設置も念頭に置く。社員の確保及び習熟度が一定水準に達するまで応援派遣でしのぐ予定だ。
SASCOの箱崎滋社長や赤松愼司常務らが21日午後、下地市長や長濱政治副市長を表敬した。
赤松常務は「開港まで1年4カ月あるが、最大の課題が人材の確保。そういう意味で早めに会社を立ち上げた」と説明した。「宮古の人や帰ってきたい人を採用したい」と地元採用へのこだわりを見せた。
社員寮に関しては「新たに造るか、どこかを貸していただくか。市の知恵を借りながら開業に間に合わせたい」と述べ、土地紹介を含めて市の協力を求めた。
箱崎社長は「下地島空港を見てきたが、こんなに美しいところで仕事ができるということにわくわくしている」と島の自然環境を絶賛した。その上で「地元の皆さん、観光客に喜んでもらえるようなハンドリング業務を行い、利用者をどんどん増やせるよう仕事に取り組みたい」と話した。
事業概要の説明を熱心に聞いた下地市長は「三菱地所がどういうふうに展開するのか気になっていた。FDAと組んでやるというのは大変心強い」と述べ、FDAの参入を歓迎した。