大神島に移動販売車
買い物の不便解消/来年導入、自治会が運営へ
市は買い物が困難な高齢者らを支援するため、大神島(久貝愛子自治会長)に移動販売車を導入する。改造した車両に食料品などを積み込み、住宅地の一角で販売する。市によると、運用開始は来年4月以降を予定しており、同自治会が運営する。地元住民は「買い物が楽になる」と喜んでいる。
大神島は11月末現在で17世帯27人が暮らしており、そのほとんどは80歳以上の高齢者。
島内に売店はなく、地域住民は定期船からバスに乗り換えて、宮古本島で生活用品などを買い求めている。
中には、宮古本島へ行く人に買い物リストや現金を渡してまとめ買いを依頼する高齢者もいるという。
移動販売車の導入は、日常の買い物に支障を来している高齢者へ、食料品などの供給体制を整備し生活の支援をすることが目的。大神自治会から要望があった。
買い物の不便さを解消するとともに、地域のコミュニケーションの場として、また、島を訪れる観光客との交流の場としても期待されている。
市まちづくり振興班によると、県の「小さな拠点づくり推進事業」で、昨年度はモデルケースとして久米島が導入した。今年度は宮古島市と名護市が対象になっているという。
事業費は約500万円で、車両のほか、冷蔵・冷凍庫などの備品購入費に充てる。
高齢者を対象にした移動販売車は、JAおきなわAコープが城辺地区で実施している。
久貝自治会長は「地域の活性化につながる。何よりもお年寄りたちの買い物が楽になる」と期待している。
移動販売車の導入は、下地敏彦市長が22日に「宮古島市の新年の話題・ニュース」として記者会見で発表した。