職員給与引き下げ可決/市議会臨時会
年間一人平均7万4000円減
宮古島市議会(下地明議長)臨時会が24日に開かれ、人事院勧告に従い職員給与を引き下げるため条例の一部を改正する条例が賛成多数で可決された。これにより職員の年間給与は一人当たり平均で7万4350円引き下げとなる。中学校長が生徒にけがを負わせたことに対する損害賠償請求事件の和解案と損害賠償額の決定についての議案、サトウキビ価格・政策の確立や環太平洋連携協定(TPP)交渉参加反対に関する意見書などは全会一致で承認された。
今臨時会には、給与引き下げのための条例改正案やそれに伴う一般会計と特別会計の補正予算案、平良中学校と池間小中学校の校舎改築工事請負契約について、監査委員の選任など市長提案の14案件と議員提出の意見書2案の計16案件が提出された。
給与引き下げのための条例改正では、市職員の給与表改定や、期末手当を一般職員は0・2%、市長ら特別職と市議会議員は0.15%引き下げる案を提案。上里樹氏が平均引き下げ額をただしたのに対し、砂川正吉総務部長が一人当たり平均で7万4350円の減になることを明らかにした。採決では、市職員の給与引き下げに関する条例改正案に上里氏が反対の立場を表明したことから挙手による採決が行われた結果、賛成多数で原案通り可決された。
監査委員辞職に伴う後任委員の選任について、市当局は元市議の富浜浩氏を委員とすることを提案。一部議員から反対の声が上がったが、賛成多数で承認された。市長提出のその他の議案はいずれも全会一致で可決された。
中学校長が生徒にけがを負わせたことに対する損害賠償請求事件について、市が和解金150万円の支払いに応じる理由として、上地廣敏教育部長は「民法の使用者責任に基づくもの」と説明した。上里氏への答弁。
議員提出の案件は、サトウキビの現行糖価調整制度の堅持と財源確保などを求める「さとうきび価格・政策確立に関する意見書」と「TPP交渉への参加反対に関する意見書」の2件で、いずれも原案通り承認された。両意見書は内閣総理大臣ほか関係大臣などに送付される。
会議の冒頭、野党議員から市職員による国保税保険料紛失についてと、海中公園工事での汚濁防止幕破損に伴う環境汚染への対応について緊急動議が提出されたが、採決の結果、賛成少数のため議事日程に追加することは否決された。