瑞慶覧氏が初当選/南城市長選
古謝氏に65票差
【那覇支社】任期満了に伴う南城市長選挙は21日に投開票され、市政刷新を訴えた新人で元衆院議員の瑞慶覧長敏氏(59)=無所属、社民、共産、社大、自由、民進推薦=が1万1429票を獲得し、現職の古謝景春氏(62)=無所属、自民、公明、維新推薦=を票差の少差で破って初当選を果たした。昨年は県内の市長選を保守系が制してきただけに、県市長会の会長も務める重鎮を破った瑞慶覧氏の勝利は、翁長雄志知事を支える「オール沖縄」勢力にとって大きな一勝となった。
南城市長選は2014年は無投票だったため、10年以来8年ぶりの選挙戦となった。瑞慶覧氏は、12年間続いた古謝市政からの転換を訴え、有権者に浸透した。古謝氏は実績を強調して選挙戦に臨んだが、惜しくも及ばなかった。
今年の県内は、「選挙イヤー」。名護市長選(2月4日)と石垣市長選(3月11日)、11月に予定される知事選など、18首長選と30の市町村議会選が連続する。南城市長選は、その緒戦として注目されていた。瑞慶覧氏が勝利したことで、「オール沖縄」は来月の名護市長選に弾みがついた格好となった。
一方、昨年行われた宮古島市長選、浦添市長選などのほか、昨年10月の衆院選でも那覇市を除く沖縄本島南部と宮古・八重山で構成する沖縄4区で勝利してきた政府・自民党にとっては打撃となった。県内の保守系市長で構成する「チーム沖縄」の一角が崩れたことも、今後の政府と県の対応に影響を与える可能性がある。名護市長選では追い上げムードが高まっていただけに、態勢の立て直しが急務となる。
瑞慶覧氏は記者団に対して「非常に大きな勝利だった。名護市などの選挙にもつなげていきたい。(オール沖縄に)勢いが付いた」と喜びを語った。
南城市の当日有権者数は3万4328人(男性1万7226人、女性1万7102人)。投票総数は2万2973で投票率は66・92%、2010年に行われた市長選より7・55ポイント下がった。
南城市は、2006年1月に島尻郡の佐敷町と知念村、玉城村、大里村が合併。古謝氏が初の市長となってから3期12年間市長を務めていた。