ふるさと納税 前年比5倍の3億円
全国から「宮古応援」/返礼品充実など背景に
宮古島市へのふるさと納税額が急伸している。2017年4月から18年1月までの10カ月の税収は約3億円。前年同月と比べて2億3700万円の増額(約5倍)となる。返礼品の充実に加え、全国的に高まった返礼品競争の抑制が増額の要因とみられる。それまで高い返礼率の自治体に納税していた人が分散し、同等の返礼率の別の自治体に着目。選択肢の広がりで宮古島市の返礼品にも注目が集まり、納税額を押し上げたと見る向きが強い。
ふるさと納税は、古里や応援したい自治体に寄付ができる制度。寄付額から原則2000円を引いた額が所得税・住民税から控除される仕組みだ。自治体による返礼品制度もある。
ただ、返礼率をめぐって課題が浮上した。注目を集めようと高額な特産品を返礼する自治体が増えて「返礼品競争」が激化。結果として「自治体を応援するという本来の趣旨から外れているのではないか」という指摘が上がっていた。
これを受けて総務省は昨年4月、過度な競争を抑えようと返礼率を3割以下とするよう全国の自治体に通知した。多くの自治体がこれに従ったことから競争が緩和されたとみられる。
宮古島市への納税額はクレジットカード決済を導入した16年11月ごろから増え始めた。17年4月から9月は200万~750万円と右肩上がりで推移、10月からの3カ月間は1500万円以上の納税があった。特に12月は急伸して1億8000万円の税収となった。
年が明けた1月も勢いがあり、25日までに4700万円以上の納税が確認されているという。
市は当初、17年度の納税額を1億2300万円と見込んでいたが、すでに3億円を超える実績に驚きを隠さない。担当者は「宮古島産メロンなどを特産品に加えている」と返礼品の充実を挙げながらも、「納税額は想定以上」と話した。
宮古島市へのふるさと納税は▽エコアイランド宮古島▽スポーツアイランド▽がんずう▽芸術文化振興-の各応援コースほか、「市長お任せ」のいずれかに納められ、活用される。