地域の方言 継承しよう/方言お話パフォーマンス大会
中学校文化連盟主催
「文化をつなぐ若い力島に生まれた誇りを胸に」をテーマに第23回宮古地区中学校総合文化祭のイベントの一つ「第7回方言お話パフォーマンス大会」(主催・宮古地区中学校文化連盟)が27日午後、市中央公民館で開催された。11校から総勢約70人が出演。各校の代表らが合同三線、宮古民謡、創作方言劇、古典狂言「附子(ぶす)」宮古方言版などを披露。地域の方言を再発見し、再確認するプログラムに、観客らは奥深い方言の世界に笑顔と感動で大きな拍手を送っていた。
冒頭、主催者を代表して友利直樹会長があいさつ。「昨年9月に行われた第5回しまくとぅば県民大会において、本地区中学校文化連盟が『しまくとぅば功労団体』として表彰された」と報告した。
その上で「多様な表現方法で中学生が郷土愛の情熱を方言にのせて表現する。日頃は使い慣れていない文化遺産である方言に一生懸命にチャレンジする出演者に拍手での激励をお願いする」と協力を求めた。
砂川春美審査委員長は審査終了後に「子供たちが一生懸命取り組む姿に感動した。指導者と子供たちの一体化の成果が見られ良かった。スマフツ(島言葉)で郷土愛を伝えていきたいという中学生の今後の活躍に期待する」と講評した。
友利会長が3部門でそれぞれ最優秀賞に当たる豊見親(とぅゆみゃ)賞を発表し賞状を贈呈した。
部門別の豊見親賞受賞者は、民謡の部が「宮古のあやぐ」を6人で歌った砂川中。民話の部が「崎田川親孝行息子の話」を堂々と発表した村吉梨子さん(下地中2年)。パフォーマンスの部が「方言パフォーマンス・コント」を7人で演じた砂川中。砂川中はダブル受賞となった。
「宮古のあやぐ」は、昔は沖縄本島から宮古に来る場合は、北風が吹く10月頃に宮古に来て、翌年の南風が吹く4月頃に戻っていった。滞在期間に、仲良くなった女性たちが、沖縄本島に帰っても私たちのことを忘れないでください、と歌った民謡。
「崎田川親孝行息子の話」は、酒飲みの父親から、酒を買ってくるように言われた息子が、崎田川の水を汲んで父親に渡した。いつの間にかその水が酒に変わっていた、という内容の民謡。
「方言パフォーマンス・コント」は、テレビのお笑い番組のネタを、衣裳やイントネーションなどにこだわり、宮古の方言独特の表現方法を意識しながらアレンジした内容。
北中が披露した狂言「附子(ぶす)」~宮古フツバージョン~」は大会を大いに盛り上げた。この狂言の方言劇は一昨年、豊見親賞を受賞した。「附子」は猛毒の意味。