伊良部大橋きょう開通3年
官民一体の開発進む/幹線道路 観光けん引
宮古本島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋は、きょう31日で開通から3年を迎える。すっかり島の幹線道路として定着した大橋だが、宮古地区全体で飛躍的な伸びを示す観光産業のけん引役として内外の注目を集める。伊良部島、下地島では官民一体の開発行為が進んでおり、今後の集客力は確実に増す。伊良部大橋の開通が与えたインパクトは、すこぶる大きい。
要請から40年を経て架けられた伊良部大橋は全長3540㍍(語呂合わせでサンゴの島)。海中道路を含むと4310㍍で、無料で渡れる橋としては日本一の長さを誇っている。
2015年1月31日の開通当初から伊良部島、宮古本島の住民が頻繁に行き交うなどして人や物の移動が活発化した。とりわけ伊良部地区の住民にとっては仕事や買い物の面で利便性が格段に向上。瞬く間に「生活路線」として定着した。
観光客も橋を通って島に押し寄せた。飲食店や土産品店での消費も伸びているとみられ、島全体ににぎわいが生まれている。
そんな大橋効果を一層引き上げるのが官民の開発行為だ。伊良部島側には橋詰め広場ができる。橋から渡口の浜にかけての沿岸ではホテルの建設ラッシュが続くなど、観光インフラ整備は着実に進んでいる。
中でも下地島空港開発は大きい。三菱地所が旅客ターミナル施設整備事業を昨年10月に着工させた。
今は国内外のエアラインと交渉を進めており、中期的には、台北、香港、ソウル、上海からの定期便就航を計画している。国内線は都市圏からLCCの直行便を誘致する。開業は2019年3月を予定。初年度誘客目標は5・5万人だ。
伊良部大橋の開通を契機に、伊良部島と下地島のポテンシャルを最大限引き出そうとする官民の動きは加速するばかり。一層の観光振興が期待される。
いらぶ観光協会の中村雅弘会長は「橋のおかげで観光客は格段に増えた。具体的な数字はないが、飲食店や土産品店での消費は大きくなっている」と橋の恩恵を挙げる。ただ、「素通り観光からの脱却を図らなければならない。観光客のほとんどが伊良部に渡っているが、多くがその日のうちに宮古本島に戻る。どれだけ伊良部に居てもらえるのかが重要だ」と宿泊施設等の充実に期待を決めた。