地域での再エネ事業学ぶ/市フォーラム
専門家2氏が講演
地域での再生エネルギービジネスの展望や取り組み事例などを学ぶミニフォーラム(主催・宮古島市)が30日、下地上地のエコパーク宮古の研修室で開かれた。地域貢献型再生可能エネルギー事業への法的助言や政策提言などを行っている弁護士の水上貴央氏と、地域貢献型再生可能エネルギー事業の企画運営を行う会社の最高財務責任者を務める野池雅人氏が講演を行った。
水上氏は地域貢献型再生可能エネルギー事業について、地域の人たちが事業主体や出資者となり、雇用の創出や収益による地域貢献などを目的に行うものと説明。具体例としては学校の屋根にソーラーパネルを設置し、発電した電気を販売した収益で公民館事業を行っている自治体などを挙げた。
太陽光発電の問題点として天気によって変わる発電量の「ぶれ」を挙げる水上氏。実用化するためにはその「ぶれ幅」を小さくする必要があると指摘した。
宮古島市では太陽光発電と電気給湯機を活用した事業の実証を予定しているが、その取り組みについて水上氏は、発電量が高くなった時にその電気を使って湯を沸かしておくことで、宮古島での再生エネルギー使用率を高めることができるとの考えを示し、「このモデルが普及すれば化石エネルギーに頼らないモデルケースになる」と語った。
野池氏は地域貢献型ソーラー発電事業を展開している自社の特徴について▽非営利型株式会社が運営主体で利益は公益団体などに寄付していること▽寄付金は地域の福祉やまちづくりに活用されていること▽地域の住民や法人からの出資金で運営していること-などを説明。和歌山県印南町で自社と町、龍谷大学が連携して町の漁協跡地にソーラー発電設備を整備した事例などを紹介し、エネルギー政策を地域政策やまちづくり政策として捉える必要性を指摘した。
参加者らは両氏の話を熱心に聞き入っていた。