メンタルヘルス対策紹介/医師会主催で研修会
ストレス研究所長の山本氏
宮古地区医師会主催のうつ病に対する医療等支援体制強化事業研修会が10日夜、県宮古合同庁舎講堂で開かれた。山本クリニック(浦添市)の院長でEAP産業ストレス研究所所長の山本和儀氏が講師を務め「働く人のメンタルヘルス対策」をテーマに講演を行った。
山本氏は県内教職員の病気休職数について、2016年には413人いて、そのうち精神疾患による求職者は163人で、県内全教員の1・1%に当たり全国一の高さとなっていることを説明した。
うつ病にかかる状況としては病気や事故、リストラ、親しい人との別れなどのほか、結婚や出産、昇進など一般的にはめでたいとされることがきっかけとなることもあるという。「気分のぶれやすさに反応するケースもある」と語った。
うつ病の疑いがある人がいた場合の対応としては、①症状のために仕事や生活上の支障がかなりある②死についての考えまたは死にたい気持ちが持続している-のいずれかまたは両方がある場合には専門機関への受診を勧めるべきとの考えを示した。
職場でのメンタルヘルス対策としては、①労働者本人によるセルフケア②管理監督者によるケア③産業医や衛生管理者などによるケア④事業所外の機関や専門家によるケア-の四つのステップを紹介。管理監督者によるケアでは日常の観察の中で、部下に遅刻や早退、欠勤が増える、休みの連絡がない、業務の効率が低下しているなどの変化が見られた場合には注意するよう促した。
適度のストレスは作業効率を高めるが、ストレスが高すぎると効率が低下するだけでなく精神疾患にかかるリスクが高まると指摘。ストレスへの対応法としては、趣味や旅行などストレスをためないリラックス法の実践、ストレス要因除去への挑戦、ストレスに強くなるための他者からの支援や報酬を挙げる。山本氏は「ストレス解消になると思うことを100個書き出して、書き出せたら書いたことを実践していって」と呼び掛けた。