「ホーイホイ」と厄払い/上野野原でサティパロウ
国指定の重要無形民俗文化財
国指定の重要無形民俗文化財、上野野原の「サティパロウ(里祓い)」が14日に行われた。パーントゥを先頭に、地元の女性が集落内を歩いて厄を払った。
サティパロウは旧暦12月の最後の丑(うし)の日に執り行われる。起源は定かではないが、野原集落に古くから伝わる行事だ。
午後6時ごろ、女性が指定の場所に集まって準備を始めた。慣れた手つきでクロツグとセンニンソウを腰と頭に巻いた。女児を含めて10人余が参加した。
男の子が到着すると仮面を持たせて出発した。この日のパーントゥは上野小1年の根間愛斗君。女性はパーントゥの後に続き、手に持った小枝を上下にこすり合わせながら「ホーイ、ホーイ」と厄を払った。交差点ではパーントゥを中心に円をつくり、清めた。
集落の外れまで歩くとクロツグとセンニンソウを取り、一カ所にまとめて祈りをささげた。子どもも手を合わせて目を閉じ、伝統のサティパロウを終えた。
パーントゥを務めた根間君は「ちょっと疲れたけど参加できて良かった。来年もパーントゥの仮面をかぶりたい」と感想。仲里千代子さん(64)は「今年も厄払いができた。子どもたちがこうして応援に来てくれることで伝統行事を続けられる」と感謝し、「集落のおばあたちが一番喜んでいると思う」と話した。
サティパロウは、島尻のパーントゥとともに、ユネスコ無形文化遺産登録候補として申請されている。