住民投票条例制定案を否決/学校規模適正化計画
きょう本会議で採決/市議会総務財政委
市議会総務財政委員会(山里雅彦委員長)が19日、市議会臨時会初日の日程終了後に市役所平良庁舎で開かれた。同日、市議会から付託を受けた学校統廃合計画に関する住民投票条例の制定について審議したが、委員で賛否が割れたことから挙手による採決を行った結果、賛成は1人のみとなり賛成少数で否決された。きょう20日開催の臨時会2日目で委員長報告と質疑、採決などが行われる。
同委員会には市当局のほか、条例制定請求者代表21人のうち岸本邦弘、近角敏通、松田さや氏の3人が参考人として出席。委員の質問に対し岸本氏は、住民投票が行われ統廃合計画反対が多数を占めた場合、今後の計画だけでなく、すでに議会議決を受けている伊良部と城辺地区の計画も対象になるとの認識を表明。「計画反対のための住民投票ではなく、反対意見がある人がいる現実を踏まえ意見を出す場を作ってほしい」と訴えた。
伊良部地区で規模適正化の要請を行った団体は地域の代表と捉えて良いのかとの質問に近角氏は「任意の団体で地域の代表とはならない」と主張。市教育委員会が地域で丁寧な説明を行ってきたと主張していることについて考えを問われた松田氏は「(昨年)12月に城辺で開かれた経過報告会では住民からの質問にはほとんど答えてもらえなかった」と語った。
学校規模適正化についての市当局の基本的な考え方が問われたのに対しては教育部の仲宗根均部長が、考える力を付けさせ自立する力を身に付けさせるために、ある一定以上の人数で話し合いを行うグループ学習を取り入れていて、グループ学習のあるべき形を考えると規模適正化が必要との考えを示した。
議案に対する討論では新里匠氏が「これまでにたくさんの人たちの意見や議会での合議、選挙などがあって決まってきたことを尊重すべき」と条例制定に反対を表明。國仲昌二氏は「議会が決めたことでも市民が直接、声を上げて意思を示すということは地方自治法でも認められている。市民の意思を明確にするこの条例は必要」と賛成意見を述べた。
濱元雅浩氏は「考えを多く持つ人たちとのコミュニケーションの中で自分の意見を述べたり、正解のない回答をみんなで導き出したりすることが教育の目指すべき方向性と思う。一定規模の児童生徒が確保されていることは教育目標の達成にメリットがある。適正化を推進する側の責任の所在を明確にしながら請求に反対をしていく態度が必要」と反対の意向を示した。
挙手による採決を行った結果、賛成1人の賛成少数で否決された。