「議会の意思は決定済み」/下地市長
住民投票条例で見解
下地敏彦市長は19日の市議会臨時会に「市幼稚園、小学校及び中学校の統合または廃止計画に関する住民投票条例の制定について」の議案を提出した。下地市長は同議案に対する意見書で、これまでの経緯や取り組みなどを示して「統廃合計画の執行または中止の判断を、住民投票の結果に基づいて行う必要はない」とした上で「住民投票条例を制定する必要はない」と表明。同条例を議会で論議をし賛否を問うべきであるとの考えを示した。野党議員などが「地域住民の声をしっかりと聞くべきだ」と条例制定を求めたのに対し「住民や議会には丁寧に説明してきた。議会の意思も決定されている」と述べた。
下地市長は意見書の中で「住民の意思を問うのであれば、有権者の過半数以上の賛成あるいは反対が最低限の意思として示されることが望ましい」と述べ「住民投票の投票率によって変更されない」とする住民投票条例案は「住民の意思を反映したものとは言えない」と述べた。
また、住民投票の資格が「学校区の地域に居住する者」とあるのに対しても「市民全体による住民投票ではなく、学区内住民のみの意思表示では住民投票としては不十分」だとした。
その上で、伊良部地区の「小中一貫校の設置条例」や、城辺地区の「4中学校の統合校の設置条例」は、議会で可決されていることを強調。「市民の代表たる市議会において真摯(しんし)な討論の上、すでに住民の意思は示されている」と述べ、改めて住民投票で賛否を問うことは適当ではないとの考えを示した。
上里樹氏が、選挙の際の争点にならなかったことから、広く市民の意見を聞くべきだと主張したことに対し下地市長は「市は個々にいろんな問題が刻々と起こる。そういう問題も全て住民投票で決めるのか」「議会は何のためにあるのか」と声を荒げる場面もあった。