目標や夢「公言しよう」/教育を語る市民大会
カギは自己肯定感/“ビリギャル”小林さん講演
1年半の勉強で偏差値を40上げ、慶応義塾大学に現役合格した「ビリギャル」こと小林さやかさんの講演会が18日午後、マティダ市民劇場で開かれた。小林さんは自らの存在や価値を肯定できる自己肯定感の大切さを説き、児童生徒に向けて「自分の意思、自分の頭で考えて進むべき道を決める。そして目標や夢を公言しよう」と助言した。
小林さんは、映画「ビリギャル」のモデル。学年ビリの小林さんが、母の支えや恩師との出会いを通して猛勉強に励み、慶応に一発合格するという物語だ。
この日は、宮古島市教育委員会が主催する市の教育を語る市民大会に招かれて基調講演を行い、自身の経験やモチベーションの高め方について話を進めた。
小林さんは「不可能を可能にする方法」として▽わくわくする目標を立てる▽根拠のない自信を持つ▽具体的な計画を立てる▽目標や夢を公言する-ことなどの実践を勧めた。
自身が慶応を目指した理由の一つに大好きなタレントが通っている大学だったことを紹介し、「要はわくわくできるかどうか。自分は何がしたいのかを自分の頭で考える。目標を決めたら逆算して何をするべきかを考えよう」と話した。
根拠のない自信を持って前に進むことも大切だと強調した。周囲の冷ややかな目をよそに、自身は「慶応に受かる」と公言し、母もその目標を信じ切ってくれたことで脇目も振らずに努力を続けられたという。
小林さんは「自分の力を信じる自己肯定感を大切にしたい。そして、(母の言葉や接し方など)周囲の環境も大きい」と話し、子どもの能力を信じて見守る家庭環境の充実を促した。
勉強を続けるこつは「できるところまで戻ってやればいい」。勉強嫌いになる原因の一つにつまずきがあるとし、「勉強を好きになるために自分が解けるところまで戻ってやる。解けるとやる気につながる。この小さなやる気を大きな力に変えていく」と話した。
慶応を目指す過程で習慣化したことは、電子辞書を使わないこと。「紙の辞書に勉強の軌跡を残した」という。小論文対策のために新聞やニュースにもよく触れた。本を1カ月に1冊は読むことや、成功した自分の姿を具体的に想像することなども紹介した。
小林さんは、当時の勉強時間が1日15時間に及んだことを挙げて、「絶対にできる」と自分に期待し続けた当時を振り返り、最後まで自己を肯定して取り組むことの大切さを訴えた。