県政の「継続」か「刷新」か/県知事選 きょう投開票
仲井真、伊波、金城3氏が最後の訴え
【那覇支社】県政の「継続」か「刷新」か―任期満了に伴う第11回県知事選挙は、きょう28日に投開票が行われ、同日深夜から未明ごろに大勢が判明する。統一地方選の「天王山」は、現職の仲井真弘多(71)=無・自民県連、公明、みんなの党推薦=、新人で前宜野湾市長の伊波洋一(58)=無・社民、共産、社大、国民新、新党日本推薦、そうぞう支持=、新人で幸福実現党県本役員の金城竜郎(46)=同党公認=の3氏によって激しく争われ27日夕、各陣営は「打ち上げ式」を開き、17日間の激しい選挙戦に幕を降ろした。3氏は「最後の訴え」で、今選挙戦の最大焦点「基地、振興策、くらし」について熱弁を振るい有権者の支持を強く求めた。
米軍普天間飛行場移設問題、2012年3月末日満了の「沖縄振興特別措置法」に代わる振興策のあり方、雇用や医療、福祉に関わる県民生活の課題取り組み策などが、今知事選の大きな焦点となった。3候補は、それぞれに持論を展開し、相手候補との政策相違点を有権者に訴えた。
仲井真氏は選挙戦最終日の27日、那覇市久茂地の遊説を皮切りに、南城市、糸満市、豊見城市の南部地域と名護市、うるま市、沖縄市、宜野湾市、浦添市の中北部主要交差点など11カ所で精力的にスポット演説をこなし、那覇市開南の練り歩きの後、午後7時開始の同市むつみ橋交差点での必勝打ち上げ式に臨んだ。
伊波氏は那覇市一日橋交差点での早朝行動で選挙戦最終日をスタート。同市真嘉比交差点、鳥堀十字路、与儀交差点、明治橋などの市内主要地で街頭ポイント演説を行い、同市奥武山で開催中の離島フェア会場でスキンシップした後、午後6時から新都心の県立博物館前で開かれた必勝集会で打ち上げを行った。
金城氏は那覇市内を候補者者カーで一巡しながら要所でスポットを打ち、午後3時半に牧志公園前をスタートして、選対スタッフらと国際通りでの練り歩きをして午後4時45分ごろ、県庁前に到着。同所での打ち上げ式に臨んだ。打ち上げ式後も練り歩きを続け、選対本部のある同市前島で最終日を締めくくった。
国政与党民主党が、同選挙での候補者擁立を断念し、不敗戦を決めたことなどから、普天間の名護市辺野古移設案などを巡る在沖米軍基地問題への「対立軸」が明確にならず、3氏ともに「普天間早期返還」の声を挙げ、金城氏が現行政府案を支持するのに対し、仲井真氏は「県外移設」、伊波氏は「県内反対、国外移設」として選挙戦を展開した。
選挙告示前の9月7日に発生した尖閣諸島沖、中国漁船による海上保安庁巡視船衝突事件、また、選挙期間中の今月23日に起きた朝鮮半島2国間の砲撃戦など、アジア情勢が変化する中で、平和を希求し、在沖米軍基地の整理縮小を強く求める県民感情にも少なからず影響を及ぼした。
また、TPP交渉開始を検討するとの政府発表に、宮古、多良間など離島の農水業従事者は、不安の色を隠せず、今選挙で決定する「県政リーダー」に、これらの課題解決などをも負託する。投票時間は、各地区投票所で午後8時に締め切る。
28日当日の選挙人名簿登録者数は107万9001人(男52万4532人、女55万4469人)。