週1回程度生乳供給へ/学校給食
県などが市教委と調整
現在、学校給食で提供されている加工乳が船の欠航などで、長期間提供できない場合の対応について、週に1回程度は長期保存のできる「LL(ロングライフ)牛乳」の提供を目指していることがわかった。22日の市教育委員会定例会で宮國博教育長が報告した。21日に県農林水産部畜産課と県学校給食会の担当者が市教委に訪れて安定供給に向けた調整が図られた。
宮古の学校給食は、島で唯一の酪農牧場廃業を受けて、今月からこれまでの牛乳から加工乳となった。
しかし、その加工乳も貨物船の欠航で沖縄本島から商品が届かず5、6日は代わりに清涼飲料水が給食に提供された。
今後の台風シーズンはさらに船の長期欠航も予想されることから、栄養面などの観点からも牛乳か加工乳の安定提供が課題となっていた。
仲宗根均教育部長は「21日に県畜産課と県学校給食会から週に1回はLL牛乳を供給したいとの提案があった。細かいことはまだ決定していないが、その案で県と学校給食会とも調整していきたい」と話した。
市教委委によると、ロングライフ牛乳は保存期間が40日程度あり、常温で長期間保存できることから、週に1回程度は学校給食に導入し、ある程度はストックしながら台風シーズンで船の欠航した際に対応したいとしている。
宮國教育長は「一定間隔でLL牛乳を送るので活用してほしいとのことだった。不測の事態に対応するとともに、安定供給を目指した提案だったので市教委としても了承した」と述べた。
さらに、「一番良い方法を県も給食会も提案してくれたと思う。県の方には何とか宮古で牛乳が生産できる仕組みをつくってほしいと要望した」と委員に報告した。
常温で長期間保存できるロングライフ牛乳は、要冷蔵の牛乳と栄養に差がないほか、保存料などの添加物も一切使われていない。
しかし、加熱殺菌などの工程に違いがあり、要冷蔵の牛乳は、120~130度で1~3秒間殺菌するが、LL牛乳は130~150度で1~3秒間で滅菌する。
さらに容器も違い使用する容器は、紙容器にアルミ箔を貼り合わせ、光と空気を遮断している。
しかし、開封後は普通の牛乳と同様に10度以下で冷蔵保存となっている。