比嘉さんを功労者表彰/苧麻績み保存会
長年の功績たたえる
上野字野原の市伝統工芸品センターで開催していた「第8回苧麻糸展示会」最終日の25日、2017年度功労者表彰式が同センターで行われ、比嘉トヨさん(88)に宮古苧麻績(ブーン)み保存会の下地ヨシ会長から長年の功績を称えて表彰状が送られた。
表彰を受けた比嘉さんは「私たちの心の中には一本一本の苧麻糸が見えている。苧麻糸は私たちの命。この素晴らしい宮古の伝統を継承し、さらに広めていくために楽しみながら一緒に頑張っていこう」と後輩たちに呼び掛けた。
1929年に生まれた比嘉さんは4歳のころから苧麻績みの手伝いを始めた。戦中戦後の厳しい時代を乗り越えて、苧麻績みの技術を継承してきた。
その技術は高く評価され、2007年度から現在まで、同保存会の苧麻糸手績技術者養成事業における伝承者養成講習の講師を務めて後進の指導に尽力したことなどが高く評価された。
また、この日は苧麻糸手績み技術者養成講習会閉講式も行われ、初級講習を修了した23人に修了証書が下地会長から手渡された。
修了生に対して、下地会長は「この3年間に修得した技術をしっかり自分のものにし、さらに後継者に伝えていってほしい」と呼び掛けた。
修了生を代表して下地恵美子さんは「こうして苧麻糸績みに取り組んでいると先輩たちのすごさを改めて感じる。先輩たちから受け継いだ技術をしっかりつなげていく取り組みをこれからも行っていきたい」と決意を述べた。
同保存会は、選定保存技術保存団体として文化庁および県の補助を受けて「苧麻糸手績み伝承者育成事業」を実施している。