陸自配備に理解求める/防衛省が市民説明会
180人参加 賛否で活発な意見
宮古島への陸上自衛隊配備に伴う、城辺保良鉱山への弾薬庫施設建設案に関する市民説明会(主催・防衛省)が4日、市中央公民館で行われた。防衛省は近年の日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、抑止力として陸上自衛隊の宮古島配備に理解を求めた。配備に賛成、反対する市民約180人が参加した。同省は北朝鮮の核開発や中国機に対するスクランブル(緊急)発進回数の増加などの資料を基に、配備に理解を求めたが、反対する市民の不安や懸念を払しょくし、理解を得るには至らなかった。反対派が、説明会を終了し会場を後にする防衛省職員らに詰め寄る一幕もあった。説明会では活発な賛否両論の意見や質問が出た。
防衛省施設計画課の米山栄一課長が日本を取り巻く安全保障の現状、施設概要などを説明した。
会場の反対派からは「なぜ保良に弾薬庫なのか」「集落の目と鼻の先に弾薬庫を造るのか」「自衛隊を配備すると、宮古島は戦場になる危険性がある」などの質問が出た。
防衛省は「南西諸島は防衛の空白地帯になっている。宮古島に陸上自衛隊を配備することで、攻撃する隙を与えない抑止力になる」と説明し理解を求めた。
また、賛成派からは「基地ができ、基地内売店などで地元の雇用は増えるのか」「宮古島出身の隊員が希望すれば、宮古島に配属されるのか」「隊員が家族とともに来れば、過疎化対策にもつながる。空き家を改装して隊員の宿舎として利用できないか」などの質問が出た。
これに対し防衛省は「基地内売店は公募になる。入った業者が地元からの雇用をするかは不明だが、可能性はある。宮古島出身の隊員が希望すればできるだけ沿えるようにしたい。空き家を宿舎、隊舎については、宿舎の建設が何らかの理由で遅れた際には、検討したい」と答えた。