大型コンテナ30台に廃家電/移送費なく、島内保管
市が助成金申請忘れる
本来は市が予算措置して沖縄本島に移送されるはずの廃家電が昨年11月から移送されず、島内の中間処理業者の敷地に大量に保管されたままの状態となっている。この原因は市環境衛生課が毎年、一般財団法人家電製品協会へ行っていた助成金の申請をし忘れたことによるもので、5日に行われた市議会(佐久本洋介議長)の3月定例会の質疑の中で分かった。
同処理業者の敷地には、移送できなかった約3カ月半の間に家電店などから持ち込まれた廃家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)が約30台の大型コンテナにびっしりと積み込まれていた。
生活環境部の下地信男部長によると、通常は毎年8~9月ごろに行う助成金申請の手続きを2016年は担当の職員が忘れたことが原因という。
昨年4月ごろに市は申請していないことに気づいて、同協会と調整を図るも、すでに申請市町村への配分が決定した後で、17年度は助成されないことが昨年11月に確定。それ以降は沖縄本島への移送をストップしている。
下地部長は「沖縄本島への移送費については毎年、3分の1を助成金で対応していた。それが無いということになったので11月以降は島内でコンテナ保管することになった」と述べた。
平良西里にある中間処理業者の敷地内には、大型家電量販店の分とそれ以外の家電店の分が2カ所に分かれてコンテナで大量に保管されいる。
同業者は「こんなに敷地スペースを占領して仕事にも影響しているし大変。いつ廃家電が持ち込まれるか分からないので職員も配置している。そうした費用もかかっているので、市は今後、かかった費用面についても考えてほしい」と述べた。
この問題を受けて、市の17年度一般会計補正予算案では、移送費補助となる離島対策事業協力助成金(家電リサイクル)651万4000円が減額補正されている。
市は、これまで保管されている廃家電については、18年度に処理する方針で、同年度は例年よりも処分量が増えることを同協会にも伝えており、助成額を調整するとしている。
17年度は予算2171万円に対して、助成金は651万4000円だったが、18年度は予算3486万円計上し、助成金は例年よりも約400万円上乗せした1045万円を予定している。
下地部長は「過去にこのようなミスは聞いたことがない。毎年やっている基本的な事務業務。金額的にある程度リカバリーできているから良いということではない。こうしたミスは絶対にあってはいけない」と述べた。