空き家対策に民泊/計画策定協が答申
「段階に応じた施策を」
宮古島市空家等対策計画策定協議会(玉那覇兼雄会長)は16日、市空家等対策計画を下地敏彦市長に答申した。空き家の利活用対策として民泊の検討を明文化したほか、空き家の発生を予防する相続への対応や所有者の意識を高める施策の展開も求めた。玉那覇会長は「段階に応じた施策が必要になる」と述べ、下地市長自ら陣頭指揮を執って取り組むよう促した。
計画の期間は2018年度から5年間。対策に関する基本方針には、空き家そのものへの対応のほか、空き家の発生を予防することの重要性を説いた。
予防に向けては、相続に関する相談会やセミナーの開催ほか、単身高齢者世帯や高齢者世帯の把握を取り組みの一つに挙げた。
空き家の利活用対策では▽セミナーの実施▽全国版空き家バンクの活用▽民泊の活用可能性に関する検討▽行政による利活用の方針▽補助金等による活用の促進-などをうたった。
民泊については、空き家をリフォームし、民泊として利活用する方法を提案した。また、今年6月に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)や旅館業法、建築基準法、消防法などの現行法との関係を整理し、民泊サービスの実態や観光客の宿泊ニーズ、地域の理解を踏まえた上で民泊の利用拡大を図るよう勧めた。
空き家の適切管理を促進する対策においては、所有者意識の向上や相談体制の充実、自治会及び空き家管理事業者との連携などを明記した。所有者に対しては空き家を放置することによる周囲への影響や問題点、適切に管理することの重要性を伝えるよう求めた。
民間との連携も重視。自治会やシルバー人材センター等と連携して空き家の維持管理を代行するサービスの展開を紹介した。
適切な管理が行われていない「特定空き家等」は空家法に則って必要な措置を講じることも付記した。
答申に下地市長は「方向性を示してくれた。空き家対策にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
計画書によると、2016年度の調査で市の空き家件数は486件。うち適切な管理が行われていない空き家は215件だった。
放置状態の空き家は、防災や防犯、安全、環境、景観などで問題を生じさせる可能性がある。このため市が対策に乗り出し、計画策定協を発足させた。
計画の策定に当たり、協議会は過去3回の会合を開いて議論、検討を進めてきた。市民アンケートやパブリックコメントも実施して意見の集約を図った。