宮古と倭寇の関係学ぶ/郷土史研究会
山本正昭さんが講演
宮古郷土史研究会(下地和宏会長)の3月例会が17日、市総合博物館の研修室で開かれた。会員らが参加し、宮古と倭寇の関係について学んだ。
県立博物館・美術館の主任学芸員、山本正昭さんが「遺跡から宮古と倭寇との関係を考える」と題し講演した。
山本さんは「1957年に刊行された稲村賢敷(宮古島出身)の大著『琉球諸島における倭寇史跡の研究』以来、倭寇については積極的に論じられていない」と前置きした上で「倭寇が活動していた中国福建省沿岸部に残されている倭寇に関係の深い城郭遺跡を概観し、宮古における中世相当期の遺跡を考えたい」と述べた。
「中国・明朝による倭寇対策の状況」について一考察後、「宮古地域に見える直線状の石積みを有する遺跡について」と題し説明した。
この中で山本さんは、下地嘉手苅の久場嘉城跡と上野宮国の手真嘉城跡の遺跡の特徴を語った上で「16世紀に倭寇対策のために集落を自衛した福建省の城に宮古にも類似した形態の遺跡が見られることは、両地域において同様の脅威が存在していた可能性も指摘することができる」と強調した。