仲井真弘多氏が再選/県知事選
「県政安定継続」決める
【那覇支社】第11回県知事選挙は28日、投開票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の仲井真弘多氏(71)=自民県連、公明、みんなの党推薦=が33万5708票を得票し、無所属新人の前宜野湾市長・伊波洋一氏(58)=社民、共産、社大、国民新、新党日本推薦、そうぞう支持=に3万8626票差をつけ2期目再選を決めた。投票率は60・88%で前回の64・54%を3・66下回った。
国政の政権交代後初となる今県知事選は、米軍普天間飛行場移設問題や2012年3月末日で満了する「沖縄振興特別措置法」に替わる新たな沖縄振興のあり方などの政治手法が立候補した3氏に問われた。
政府与党民主党が候補者擁立を断念し、同県連が「自主投票」を決定するなど対立軸を失い、「争点」あいまいな選挙となった。普天間問題で仲井真氏は「県外移設」、伊波氏は「県内反対、国外移設」を掲げる一方、新人で幸福実現党公認の金城竜郎氏(46)が現行の同基地、名護市辺野古移設案の支持を表明していた。
仲井真氏は相手候補の「県内移設反対・国外移設」との違いをより明確にするため、その理由を「日米安保は重要であり、同移設問題は日本全体で考えてもらうべき。共有すべき内政課題だ」と説明し、政府の具体的、現実的対応策を「県外移設」とするよう強く訴えた。
また、「沖縄21世紀ビジョン」の実施計画策定を実現するとし、宮古、八重山などの農畜業振興や水産業振興などを訴えたほか、離島便の航空運賃低減化促進などの先島振興策を強く打ち出し、宮古、八重山の先島地区有権者からも幅広い支持を得た。
とりわけ離島、過疎振興を中心に据えた振興策の手法が有権者に安心感を与え、保守支持層を固めたほか、無党派浮動票の獲得にも結びついた。
仲井真 弘多氏(なかいま・ひろかず)1939年8月19日生まれ。71歳。東京大卒。61年通産省(現経済産業省)に入り、工業技術院技術審議官などを経て、87年沖縄電力常務。95年社長、03年会長。90年から93年まで沖縄県副知事を務め、06年12月知事。那覇市出身。当選2回。