演武の魅力を堪能/天皇皇后両陛下
沖縄空手会館を訪問
【那覇支社】3日間の日程で来県していた天皇、皇后両陛下は最終日の29日、豊見城市の沖縄空手会館を訪問された。両陛下は、資料室を見学したほか、演武を鑑賞し沖縄空手の魅力を堪能した。沿道や視察先には約8430人(県発表)が日の丸を振るなどして歓迎した。
両陛下は午前10時45分ごろ同会館に到着。県文化観光スポーツ部の嘉手苅孝夫部長や豊見城市の宜保晴毅市長らが出迎えた。資料室では、「先人の言葉」や「沖縄空手の発生と源流」などの展示物を見学しながら、沖縄空手の歴史について説明を受けた。
その後、沖縄の伝統文化を象徴する赤瓦屋根の特別道場で行われた演武では、空手家の眞栄城守信さん(73)と仲本政博さん(80)、東恩納盛男さん(79)、上原武信さん(88)の4人が長年磨き上げてきた空手の形(型)を、それぞれ披露した。
演武後、両陛下から声を掛けられた空手歴70年の上原さんは取材に対し「両陛下の前で演武ができたことを大変光栄に思っている」と話し、「生涯現役ですと伝えた」と喜んだ。東恩納さんは「これを機に、沖縄の伝統空手が県内、県外、世界に普及することを願っている」と期待を述べた。
両陛下は、同会館で会食後、沖縄での全ての日程を終え、那覇空港発の特別機で帰京した。
両陛下の沖縄訪問は2014年6月に「対馬丸」の犠牲者を慰霊して以来4年ぶりで、即位して6回目。皇太子時代を含めると11回目となった。来年4月の退位を前に、今回が在位中最後の沖縄訪問になるものとみられる。