沖縄を「東洋のカリブ」に/クルーズ新構想を策定
【那覇支社】翁長雄志知事は30日、新たなクルーズ振興策となる「東洋のカリブ構想」の実施概要を発表した。翁長知事は「沖縄のクルーズを取り巻く状況は好機が到来している。今後のクルーズ振興のため中長期的な視点に基づき、沖縄海域を『東洋のカリブ』と名付けて、新たな構想を策定した」と述べた。
構想の骨格としては、▽官民連携の国際クルーズ拠点と県内港湾の着実な整備による寄港地開発の推進▽南西諸島周遊クルーズの誘致・推進▽国内外との豊富な航空路線を活用したフライ&クルーズの推進▽国内外クルーズ船の発着港、拠点港、母港化への推進など-の五つを掲げた。
その上で、「最終的には目標とする世界水準の観光リゾート地の形成を目指す」として、県がこれまで策定した「国際旅客ハブ」「国際物流ハブ」「スマートハブ」の3構想に加え、今回のクルーズによる振興策「東洋のカリブ構想」との相乗効果で、沖縄の新たな発展に向けた成長エンジンとして振興を加速させる。
会見には、平良港での官民連携による国際クルーズ拠点整備に投資を決定したカーニバル・コーポレーション社のポール・チョン副社長も同席し、沖縄のクルーズエリアとしての魅力について語った。
ポール副社長は「現在、那覇は日本で第3位のクルーズ中継港であり、年間200以上の寄港を受け入れているが、母港となっていない。那覇は中継港として典型的なクルーズ客が1ドル使うごとに4倍のGDP効果があるが、母港となればその金額の12倍になる」と指摘した。
そして、「すでに佐世保や宮古島、横浜と提携しているが、さらに提携先を求めている。(我が社は)アジアを含む全世界の主要クルーズ船市場で約50%のシェアを占めて、最大の船を運航している。那覇のみならず沖縄のその他の場所での、独特なビジネスチャンスを見込んでいる」と説明した。