奥深い上布、継承誓う/後継者育成研修
受講生3人に修了証書
宮古上布の製織後継者を育成する研修の閉講式が3日午前、市の伝統工芸品センターであった。宮国利恵さん(40)ら3人の受講者が修了証書を受け取り、織り子としての第一歩を踏み出した。宮国さんは「上布は奥深い。これからも学び続ける」と話し、継承への誓いを新たにした。
研修を終えたのは宮国さんのほか、下地千代さん(50)、棈松順子(よりこ)さん(58)の3人。それぞれ製織の工程を一から学んで技術を身に付けた。
研修終了に当たり、宮国さんは「研修を通して宮古上布の奥深さを知った。永住して、これからも上布に携わりたい。より素晴らしい布を織れるようにしっかり頑張る」と話した。
下地さんも「さらに追求したい」と話す。「3年前に宮古に来て、宮古のために何かできないかと思って始めた。(研修で)織ることはできたけど技術はまだまだ。十字絣をしっかりと織れるように研さんを積みたい」と意欲を見せた。
棈松さんは「特に糸の大切さがよく分かった。勉強になった」と全工程の重要性をこの研修で学んだ。家族の事情で宮古島を離れるといい、「こうして1年間学んだ。島を離れても糸づくりとか何らかの形で携わりたい」と笑顔だった。
閉講式で宮古織物事業協同組合の長濱政治代表理事は「研修で宮古上布の素晴らしさを分かっていただけたと思う。さらに学び、上布の発展に尽力を」と3人の活躍に期待を込めた。
研修事業は、宮古上布を織る技術者を確保することが狙い。宮古織物事業協同組合が実施している。