過去最高の3億4000万円/ふるさと納税
17年度、返礼品充実で増収/エコ、子育て事業に充当
宮古島市への2017年度ふるさと納税額が過去最高の3億4000万円になることが市企画調整課のまとめで分かった。前年度の6700万円余と比べて約5倍の税収で、返礼品の充実などが急伸の要因だ。税収は18年度に実施する事業に充当。エコ関連や子育て支援などに活用する。
市企画調整課のまとめによると、17年4月から9月にかけての月額納税額は200万~750万円と右肩上がりで推移した。10月からの3カ月間は1500万円を超えている。特に12月は急伸し、1億8000万円の税収があった。
市の返礼品は宮古そばやマンゴー、泡盛、メロン、宮古牛、アロエベラジュースなど多様で、ゴルフや宿泊のクーポン券もある。
こういった返礼品の充実が納税額を押し上げているが、「返礼品競争」の緩和も要因の一つだ。総務省が昨年4月、過度な競争を抑制するため、全国の自治体に返礼率を3割以下とするよう求めた。これにより各自治体が高額な返礼品の取り扱いに慎重になった。
この動きを受けて、それまで豪華な返礼品を求めていた納税者が別の自治体にも目を向け始め、結果として宮古島市の納税額も増えたと見る向きが強い。
ふるさと納税による税収は、市の各種事業に充当される。18年度当初予算においては17年4月から12月分の納税額を予算化。39の事業の財源の一部として活用する。
内訳を見ると、電気自動車リースに330万円。天然ガス事業に伴う足湯の水中ポンプ電気料には70万円を充てている。そのほか充電器設置や電気自動車導入補助金など複数のエコ関連事業で活用する。
教育関連では市夢実現助成金に150万円、選手派遣費補助に300万円、中学生や高校生のホームステイ事業などでも使う。
文化関係では、市子ども劇団やマティダお笑い劇場実行委補助金として100万円ずつを計上した。
市企画調整課は、18年度も返礼品を充実させながら増収を目指す。姉妹都市の特産品活用の検討も進めており、自主財源の確保に向けてふるさと納税制度を積極的に活用する方針だ。
ふるさと納税は、古里や応援したい自治体に寄付ができる制度。寄付額から原則2000円を引いた額が所得税・住民税から控除される仕組みだ。自治体は納税者に対して地元特産などの返礼品で応じている。
宮古島市へのふるさと納税は▽エコアイランド宮古島▽スポーツアイランド▽がんずう▽芸術文化振興-の各コースほか、「市長お任せ」のいずれかに納められて、活用される。