子どもの貧困対策支援へ/沖縄振興拡大会議
県と市町村が連携確認
【那覇支社】県と市町村が沖縄振興や行政課題などを討議する2018年度沖縄振興拡大会議が27日、那覇市で開かれ、子どもの貧困対策で県と市町村が連携して取り組むことなどを確認した。市町村から県への要請では、宮古島市は下地島空港と周辺用地の利活用推進や待機児童対策など12項目を、多良間村は国営事業推進と農業農村整備など6項目を求めた。
同会議は、県や県市長会、県町村会、県市議会議長会、県町村議会議長会の5団体の共催で、各自治体の首長と議会議長らが出席する。1973年以降、毎年1回開催されている。
会議では、子どもの貧困対策にかかる支援体制の充実のほか、今年度から県が主体となる国民健康保険について、市町村国保が大幅な赤字となる場合は県も一般会計から補填することなどが議論された。
子どもの貧困対策では、県の担当者から、県や内閣府などが実施している「沖縄県子どもの貧困対策推進基金事業」や「沖縄子供の貧困緊急対策事業」、「沖縄子どもの未来県民会議」などが報告された。
沖縄県子どもの貧困対策基金については、県の担当者が、16年3月に設置した同基金(約30億円)から今年度事業予算として6億4000万円を計上したことが説明された。妊娠から子育てまで切れ目のない支援を行う「母子健康包括支援センター」の設置促進など県主体事業に7000万円を充てるほか、市町村が実施する▽就学援助の充実▽放課後児童クラブ利用料の負担軽減-などへ5億7000万円を支援する。交付率は4分の3。
また、国が主体として行う「沖縄子供の貧困緊急対策事業」の18年度予算は約12億円、子どもの未来県民会議予算が9000万円であることも報告された。
沖縄子供の貧困緊急対策事業では、市町村に貧困対策支援員を配置するほか、子どもの居場所の設置を支援する。子どもの未来県民会議は、児童養護施設の退所者などへの給付型奨学金、低所得世帯などの高校生への通学費(モノレール)軽減などを実施する。
このほか、県への要望事項として、宮古島市からは▽下地島空港・周辺用地利活用の着実な推進▽県営宮古広域公園の早期整備▽待機児童対策や認可外保育施設への支援拡充▽平良港の機能拡充▽県農林水産物流通条件不利性解消事業の継続維持・品目追加▽独立行政法人種苗管理センターの宮古島市誘致▽離島生徒の選手派遣支援-など12項目が、多良間村からは▽国営事業の推進▽農業農村整備▽小規模離島医療の充実▽多良間・石垣間航空路線の再開な-ど6項目が提出された。