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政治・行政 社会・全般
2018年5月17日(木)9:00

断水要因は「複合的」/伊良部南区で説明会

使用量増を否定せず
当局陳謝 不満示す住民も


伊良部南区で発生した断水について陳謝する市上下水道部の大嶺部長(中央)ら=16日、東地区構造改善センター

伊良部南区で発生した断水について陳謝する市上下水道部の大嶺部長(中央)ら=16日、東地区構造改善センター

 伊良部南地区で発生した断水で、宮古島市上下水道部は16日夜、伊良部の東地区構造改善センターで住民説明会を開いた。大嶺弘明部長は最大4日間続いた断水を陳謝し、原因については水道施設の損傷による可能性が高いと説明した。ただ、南区における使用水量増加の影響を否定せず、「複合的な要因と考えている」と主張して特定を避けた。こういった当局の対応に不満を示す参加者も。「はっきりしてほしい」と詰め寄る場面もあった。

 住民説明会には約50人が参加した。冒頭、大嶺部長は「深くおわび申し上げます」と陳謝した。

 この後、断水の原因を説明した。当初は使用水量の増加と判断したが、断水後の調査で伊良部国仲の第3配水池の流入ボールタップの不具合も要因に挙げられるという結論を示した。

 大嶺部長は「今回の断水は水道施設の損傷等により配水池への必要流入量が確保できなくなり、断水に至ったと判断される」という配布資料を読み上げた。

 現状については「水量は簡易流量計により十分な量が確保されている」とした上で、「今後、早急に第3配水池系統の見直しを行うための調査設計委託業務の発注を行いたい」と話して住民の理解を求めた。

 質疑では、原因の究明や老朽化した施設の改修を求める声が多かった。

 下地敏彦市長を含む市当局の記者会見で、当初は南区の使用水量の増加と断定していたが、後に施設の破損も要因に挙げた対応を疑問視する参加者は「(使用水量が増加したという)説明は間違っているのではないか」と追及した。大嶺部長は「その時点では、ボールタップの不具合が発見されていなかったので使用水量と供給のバランスが崩れたと考えた」と答えた。

 南区の使用水量が増えたことが要因とする当局の説明で、「ホテルや事業者は大きな迷惑を被った。皆さんの説明はつじつま合わせではないか。原因をはっきりしたらどうですか」と指摘する声には、「(ボールタップの破損による)可能性が高い」と返答した。

 ただ、別の住民から「その可能性が高いと話しているが、原因はよく分かっていないということか」と聞かれると、「私たちは複合的な要因と考えている」と答えて特定を避けた。

 観光業の男性は「市長も参加する会見を見ると、水を使った側に責任があるのかと思ってしまった」と不満を漏らし、「もう少し誠意を持って対応してほしかった」と注文を付けた。

 一方、断水時に24時間態勢で復旧に当たった上下水道部の職員や関係者に感謝する住民の声も複数聞かれた。要望としては、今後予想される水需要の増加に対応する施設の整備や改修を求める意見が多かった。

 伊良部南区の断水は先月27日に発生した。28日には南区のほぼ全域で断水したり、水が少ししか出なかったりする影響が出た。断水は最大で4日間続き、今月1日に解消された。


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