キビ代は70億6000万円/17-18年産
前年比31億円の大幅減/生産量11万㌧の減産響く
宮古地区の2017-18年産のサトウキビ代金(農家に支払われた金額)が70億6800万円になることが、JA宮古地区営農振興センターさとうきび対策室のまとめで分かった。前期作と比べて31億8000万円(31・3%)の大幅減となる。生産量が前期比で11万㌧以上減産したことが大きく響いた。1㌧当たりの農家平均手取額は2万1958円。前期作より1579円少なかった。
17-18年産の実績は、宮古地区製糖4工場の搬入概況を基に、JAさとうきび対策室がまとめた。
製糖工場への搬入量(生産量)は、宮古地区全体で32万1893㌧だった。大豊作となった前期の43万㌧台と比べると11万3600㌧の減産となる。病害虫被害のほか干ばつ、台風などの自然災害に遭って生産量が伸び悩んだ。ただ、株出し栽培の普及に伴う収穫面積の広がりで平年並みの生産量は確保している。
地区別生産量は▽平良7万6300㌧▽城辺9万800㌧▽上野3万2100㌧▽下地3万8900㌧▽伊良部5万8200㌧▽多良間2万5400㌧-となり、それぞれ前期と比べて20~30%の減産となる。
一方、キビ代金は30億円以上の減額となった。減産のほか、前期比で1度ほど低い品質(糖度)が全体の所得を押し下げた。
今の制度上、品質は農家所得に直接響く。地区別の1㌧当たり農家平均手取額は▽平良2万2127円▽城辺2万1633円▽上野2万1882円▽下地2万2056円▽伊良部2万2407円▽多良間2万1533円-で、それぞれ前期の手取りを下回った。
この金額から導かれるキビ代金は、▽平良億8900万円▽城辺19億6400万円▽上野7億200万円▽下地8億5900万円▽伊良部13億500万円▽多良間5億4700万円-となり、それぞれ20%以上の減額となった。
宮古地区のサトウキビ生産は、株出しの普及で収穫面積が拡大しており、増産に向けて生産基盤は整いつつある。ただ、収量が思うように伸びていない。
17-18年産の反収(10㌃当たりの収量)は、全作型とも前年の実績を下回る見通しだが、特に株出しの低さが際立っている。
集計を終えている沖縄製糖宮古工場の株出しの反収は4・6㌧、宮古製糖城辺工場は4・8㌧といずれも5㌧に満たない状況だ。
糖業関係者が考える株出しの反収は最低6㌧で、この収量を出さなければ収穫面積が広がった恩恵を十分に得られないと見る。
株出しの反収を上げることが今後の課題になる。