低栄養対策に取り組んで/市主催研修会
要介護防ぐポイント紹介
宮古島市主催の介護予防研修会が22日、市中央公民館大ホールで開かれた。大阪大学大学院医学系研究科特任准教授の白井こころ氏が講師を務め、要介護にならないためのポイントや注意点などを語った。
健康な状態と介護を必要とする状態の間に位置する状態として、加齢により心身の活力が低下した虚弱な状態のフレイルという状態があることを説明する白井氏。フレイルの状態の人を健康に戻すことで、介護が必要となる人を少なくすることができると語る。
体重減少▽握力低下▽疲労しやすい▽歩行速度低下▽身体活動量の減少-の5項目のうち3項目以上が当てはまるとフレイルとされていることを紹介。予防すべきポイントとしては栄養、運動、社会参加の3点を挙げた。
栄養面では、高齢期は痩せているとフレイルになりやすくなるので低栄養対策が必要と指摘し、必要なタンパク質とエネルギーを確保するよう呼び掛けた。運動面では動かないでいると筋力量が低下してしまうことから、日常生活の中に筋肉体操を取り入れるべきとの考えを示した。
社会参加に関しては、人との交流が週1回未満になると早期死亡に至りやすいことを示すデータがあることを紹介。1日1回は外出をし、1週間に1回は友人らと交流し、1カ月に1回は楽しさ、やりがいのある活動に参加することを推奨する白井氏。参加者に向け「低栄養対策や筋肉体操などに取り組んで、宮古島の健康を支える主役になって」と呼び掛けた。
会場には介護や福祉、医療関係者や一般市民らが多数来場し、白井氏の講話を熱心に聞いていた。
白井氏の講話前には市高齢者支援課介護予防係の担当職員が、介護を必要とする人が多い宮古島市の高齢者の現状を説明した。