サトウキビ被害、じわり/少雨傾向
株出しの生育に影響か/きょう干ばつ対策会議
宮古島地方は8日の梅雨入り以降、少雨の傾向が続いている。この影響でサトウキビに少しずつ被害が出始めており、一部では葉のロール現象が見られるという。生育旺盛期にある株出しや春植えの成長にも影響が出そうだ。市は30日、関係機関の代表を集めて干ばつ対策会議を開く。
宮古島地方は8日に43㍉を観測して以降、少雨の傾向が続く。21日に6㍉、23日に9㍉降っているが、5月の降水量は平年値の3分1以下にとどまる。
来月1日から3日にかけて雨の予報は出ているが、降水量によっては農作物の被害が広がるとみて関係機関は警戒を強めている。
製糖各社や宮古島市によると、かんがい施設(スプリンクラーなど)がない一部の圃場においてはサトウキビの葉のロール現象が出始めているといい、さらなる広がりも懸念される。
ここ数年で一気に拡大した株出し栽培の生育に与える影響も小さくない。
宮古製糖城辺工場農務部によると、梅雨の降雨で例年なら20~30㌢近く茎長が伸びる時期だが、雨が少ないと成長の鈍化を招きかねないという。「今のところ大きな影響はないが、本来であれば梅雨時期のサトウキビは伸びるだけに雨がないのは厳しい」とした。
干ばつ対策会議を招集する宮古島市農政課の松原直樹課長は「雨の予報はあるが万全を期すために対策会議を開く」と話し、生産農家に対しては「しっかりかん水を」と呼び掛けた。
雨が少ないこともあってかんがい施設がある圃場はスプリンクラーがフル回転している。これに伴って地下ダムの水位はぐんぐん低下し、29日正午時点の貯水率は砂川ダム66%、福里ダム85%。例年は貯水率が100%に達する時期だけに心配の種は尽きない。
管理する宮古土地改良区では「本来は水をため込む時期なので、まずい状況にある。このままでは梅雨明け後も心配だ」として適切な利用を促している。