低炭素社会へ大きな一歩/メガソーラー実証研究設備
関係者集い完成祝う
沖縄電力(石嶺伝一郎社長)が国の補助を受けて城辺に建設した宮古島メガソーラー実証研究設備の竣工式が3日、現地で行われた。4000㌔㍗の発電能力を持つ、国内最大規模の太陽光発電施設。同社や国、県、市、工事施工会社から約100人が出席し、完成を祝うとともに、実証運転の安全や施設が低炭素社会に向け先導的役割を果たすよう祈念した。
神事に先立ち、沖縄電力の玉城正裕研究開発部長が、事業概要を説明した。
研究の対象地域は、系統(配電網)が独立している離島地域。研究は、太陽光発電設備を大量導入した場合の系統への影響や、出力が天気に左右される太陽光発電を電池でコントロールして安定化させる方法、家庭などに設置され系統と接続している太陽光パネルの適切な運用方法-などの実証を目的とする。
メガソーラー(4000㌔㍗)は、宮古におけるディーゼル発電の最大出力5万㌔㍗の8%を占める。研究では、そうした自然エネの大量導入が、電圧や規格化されている周波数に不安定化を招く恐れがあるため、蓄電でどれだけ安定化できるかを調査する。
施設はソーラーパネルを設置していると仮定した一般家庭や学校と系統を結ぶ模擬配電路線を設置しているのが特徴。研究ではリチウムイオン電池を家庭や学校に設置して余剰電力をためる効果などを実証する。
実証研究は、2013年度まで行い、データは経済産業省に提出する。
神事では、各団体の代表が玉串を奉納し研究設備の安全運転を祈念した。
市内のホテルで行われた直会(祝賀会)で石嶺社長は「今や低炭素社会への取り組みが急務の課題となっている。当社としても地球温暖化対策を最重要課題に取り組んでいる中で、この度施設が完成した。離島それぞれに適した制御方法を確認し、今後につなぎたい」とあいさつした。
メガソーラーは、経済産業省資源エネルギー庁の補助を受け、建設した。総事業費は約70億円。敷地は福東、七又、保良の3地区に及ぶ9万8000平方㍍。太陽光パネルは、2万8771平方㍍に2万1716枚を設置した。メガソーラーには、離島におけるディーゼル発電のコスト低減を図る狙いもある。実証運転は10月15日に開始した。