字有地の賃貸借契約結ぶ/いけま支援センターが自治会に
任意団体の池間自治会(仲間正明会長)とNPO法人「いけま福祉支援センター」(前泊博美理事長)が今年4月1日付で字有地の土地賃貸借契約書を結んでいたことが3日、同自治会の最高意志決定機関である総会に報告され議決された。賃貸借契約期間は5年。今年度から同センターは同自治会に1年ごとの賃貸料100万円を支払うことで契約は正式に成立した。同自治会による多額の賃貸借契約は異例。
字有地は33筆、総面積約23万平方㍍と推定されている。今後は法務局で土地の登記簿を閲覧した上で正確な登記面積を確認する。
総会の席上、池間島出身の前泊理事長は「池間島の自然を守りたいために、契約を交わした」と動機を語り「私たちの先祖が守ってきた自然、文化を、未来の子供たちに引き継いでいこう」と呼び掛けた。
会場から大きな拍手がわき起こった。
前泊理事長は「今から15、6年前に池間島自然観光計画という話が持ち上がり、島を揺るがした時期があった。(本土出身の男性が)本土の不登校の子供たち5000人を池間島に入れ、島興こしをしたいというのがあり、旧平良市に計画書が提出されていた」と振り返る。
その上で「私たち島の人たちは『これは大変なことになるぞ』ということで立ち上がった。島興こしは『島の人たちでやる』ということで戦った」と述べた。
同計画は、住民闘争によって中止された。過去の騒動から住民の間では島外者との土地売買や土地賃貸借には特別な反応を示すようになった。
総会終了後、前泊理事長「池間島の緑が少ない海岸沿いには海岸保安林としてテリハボク(方言名ヤラウギー)の苗を植えて育てる」と今後の計画の一端を述べた。