戦時の島に思いはせる/市教育委員会主催
城辺地区で戦跡巡り
市教育委員会主催の戦跡巡り「城辺地区の戦争遺跡」が9日に行われた。事前に申し込みをしていた市民20人が参加。担当職員から詳しい説明を聞きながら、日本軍が使用していた壕など宮古島でも戦争があったことを今に伝える戦跡を目の当たりにして、当時の状況に思いをはせた。
今回の戦跡巡りは、戦争遺跡を実際に訪れ、太平洋戦争時の城辺地区の状況について理解を深めてもらうことが目的で、4カ所の戦争遺跡を見学した。
市役所城辺庁舎に集合した参加者は、市のマイクロバスで戦跡巡りに出発。榴弾砲を秘匿、設置していた下里添の野戦重火器秘匿壕群、発電機壕やトーチカ、貯水池からなるアーリヤマの戦争遺跡群、連合軍上陸阻止を目的に東西二つに設置された砲台や弾薬庫、交通壕などからなる東保茶根の戦争遺跡群、日本陸軍創始者の山縣有朋の揮毫で、城辺町在郷軍人会の後援で建立された福里公園の忠魂碑を巡った。
参加者たちは担当職員の説明を聞き、メモを取りしながら興味深そうに戦跡を見学した。
新聞のお知らせ欄で今回の戦跡巡りのことを知り参加した川上良絵さん(48)=上野=は「資料を見るよりこういうものに参加した方が、専門家から詳しく説明を聞けるので良いと思い参加した。地図を見ても個人ではたどり着けないような場所もあり、貴重な経験ができた。また機会があれば子供と参加したい。自分たちが住んでいるところに戦争で使ったものがあることを間近で見ると理解が深まると思う」と語った。
今回の戦跡巡りは、2018年度地域の特色ある埋蔵文化財公開活用事業の第1回として実施された。