伊良部南区断水 損害額500万円余
宿泊キャンセル料など/商業施設有志の会試算
4月27日から最大4日間、伊良部南区で発生した断水問題で、同地区の複数の宿泊施設で構成する「伊良部南地区商業施設有志の会」(儀間信隆代表)が試算した加盟社合計の損害額は約500万円となっていることが分かった。同会の損害賠償補償の求めに対して市側は「困難」との見解を示しており、同会は市議会6月定例会に補償への対応を求める陳情書を提出している。
本紙の取材に、儀間代表は「私たちの会以外の飲食店や介護施設など、今回の断水による損害はもっとあった。実際の損害額はもっと多い」と話した。
儀間代表によると、自らが総支配人を務める宿泊施設とレストランなどの損害は合計で約130万円と試算している。
内訳は、宿泊施設のキャンセルと返金の件数が76件で損害額は52万7000円。関連するレストランとカフェの損害合計で65万円などとなっている。
儀間代表は「私の所だけでもこれだけの損害が出た。そのほかの加盟施設の損害を合計すると約500万円くらいにはなる」と述べた。
断水当時の状況については「当時はすでに多くの宿泊客がいて、断水初日は宿泊費の半分を返金した。その後も断水が続いたので別の宿泊施設に私たちが部屋を確保して、宿泊客を振り分けて対応せざるを得なかった」と振り返った。
こうした対応を強いられていた中、下地敏彦市長と上下水道部の職員が4月30日に行った会見で、断水の原因を「同地区での水の使用量が増大したことに対し、水の供給量が追い付かなかったことによることが判明した」と説明。
この説明に会員は憤慨。儀間代表は「実際には昨年の夏場の方が客の数も水の使用料も多かったと思う。しかも、今回の断水はGW突入前であり、そんな理由で止まるはずがないとみんな言っていた」と述べた。
結局、市側は先月16日に住民説明会を開催。その中で「今回の断水は水道施設の損傷等により配水池への必要流入量が確保できなくなり、断水に至ったと判断される」との見解を示していた。
市議会に提出された陳情では「長時間にわたる断水は人為的災害といっても過言ではないはずで、その責任を取らない市の対応は観光誘致を進める上でも悪評になる」とし、訴えの内容に理解を求めている。