EV技術者育成目指す/試験的授業実施へ
宮工が市と取り組み連携
下地敏彦市長と宮古工業高校の金城透校長らは13日、同校で会見を開き、電気自動車(EV)の整備技術者育成を目標に市と同校が連携して今年度、EV学習カリキュラムの検討と試験的授業を同校自動車機械システム科3年生を対象に実施すると発表した。
今回の取り組みは、エコアイランド宮古島として低炭素社会の実現に向けEVの普及促進を目指す宮古島市で、EVのメンテナンスができる技術者を育成することを目指すもの。市内で唯一、自動車の専門コースがある工業高校と連携し、EVメンテナンスに関するカリキュラム化の確立を検討し、試験的授業を実施する。
自動車機械システム科3年生の課題研究の授業を活用し、県自動車整備振興会宮古支部や日本工科大学校の協力を仰ぎながら技術者による講座の実施や実習の受け入れ、教材の提供などを受けEVメンテナンス技術習得に必要なカリキュラムの選定や検証、生徒のEVに関する知識の向上を目指す。
今年度は試験的授業の実施、カリキュラムのマニュアル化の検討、今後の必要性の検証、継続可能にするための課題の洗い出しを行い、次年度へつなげたい考え。
会見で下地市長は、市内には現在、EVのメンテナンスを行える技術者が1人しかいない状況を説明。購入に補助金を交付するなどEVの普及に取り組む市にとって技術者育成が急務との認識を示した。
工業高校でEV整備のカリキュラム化が可能になれば、EV整備士の育成につながるとともに、地元での就職機会が増加し、若者の地元定着に貢献することなどへ期待を表明する下地市長。「どういう形で行うか、これから高校の先生たちと話をしながら、ぜひカリキュラム化を進めていきたい」と語った。
金城校長は自動車機械システム科職員を中心に協力体制を整え、市と連携して取り組んでいく考えを示す。「教育目標の一つである保護者、地域から信頼される学校づくりのために、地域貢献に積極的に取り組んでいきたい」と語った。