損害賠償の陳情不採択/市議会委
与党、「継続審査」拒否/伊良部南区断水問題
市議会6月定例会は15日、各委員会が行われた。経済工務委員会(高吉幸光委員長)では、伊良部南区で4月27日から最大4日間続いた断水問題で生じた損害補償への対応を求める陳情を審議し、全会一致で不採択とした。同陳情の採決の前に、野党2人から「継続審査」が求められ、それについて採決したところ、賛成少数で否決となった。今回の陳情を提出した伊良部南地区商業施設有志の会の儀間信隆代表は本紙の取材に「今後、訴訟の準備を進めていきたい」と述べた。
「継続審査」については、真栄城徳彦氏、島尻誠氏、友利光徳氏の3人が賛成。砂川辰夫氏、我如古三雄氏、下地勇徳氏、上地廣敏氏の4人が反対となった。
今回の陳情に対する説明で、上下水道部の大嶺弘明部長は市の顧問弁護士に相談したことを報告。
市の給水条例の16条で、水道施設の損傷で損害が生じても市がその責めを負わないとする条項があり、弁護士ともその条例に基づいて対処することを確認したことが説明された。
「継続審査」を求めた島尻氏は「今回は定期点検、保守点検がされてないが故に誘発された断水。地域の住民にはいろいろな思いある。これから出てくる問題もあると思うので継続審査にすべき」と訴えた。
これに対して、上地氏は「条例でも今回の問題については『賠償の責めを負わない』とある。さらに顧問弁護士の意見もあり、賠償の責めを負うべきではない。もし、これが継続審査となった場合は有志の会以外からの損害賠償の請求がどんどん出てくる可能性もある。それを考えても不採択にすべき」との見解を示した。
一方、真栄城氏は断水に対する一連の市の対応について厳しく糾弾した。
真栄城氏は「市は当初、観光客や帰省客が増えて使用料が増えたから断水になったと発表した。今回の陳情も発端はこの会見だ。関係業者に聞いてもそんなことで断水することは百パーセントあり得ないと言っていた。そんな拙速でずさんな会見をやった上下水道部の責任は重い」と述べた。