内閣府、1600万円を交付/若年妊産婦の自立目指す
【那覇支社】内閣府は15日、那覇市で会見を開き、2016年度から実施している「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」で、今年度第2回目の交付を決定したと発表した。10代の妊娠・出産の割合が高い沖縄市に対し、1635万円を交付する。若年妊産婦(おおむね18歳以下の妊産婦)を対象に、妊娠や育児に関する相談や育児指導を行う施設の設置と運営を補助し、自立支援の充実を図る。
10代の妊娠・出産の割合は、16年実績で全国の1・1%に対して、沖縄県は2・6%。中でも、沖縄市は3・7%と高い状況にある。若年妊産婦は、妊娠・子育てのサポートが十分得られていない場合もあり、貧困の連鎖を断つための支援が求められていた。
今回の交付を受け、沖縄市では、県助産師会が運営主体となり、同市の母子未来センターに妊娠・出産・育児に関する相談や指導、家計管理、育児指導、復学や進学等の相談を行う部署を設置する。
助産師1人、保育士1人、栄養士2人を配置するほか、夜間などの緊急的な相談や支援にも対応する。7月にプレ開所し、正式な開所は9月を予定している。
県助産師会の桑江喜代子会長は「出産後に孤立感を深め、養育力もなく生活力が乏しい状況で生活している現実がある」と、若年妊産婦の現状を訴え、「(今回の支援で)産前産後の丁寧なケアが可能になる」と述べた。